世界中のゴルフ関係者にとって悲願といえるのが、ゴルフのオリンピック正式種目への採用だ。R&A、USGA、マスターズ委員会など世界の錚々たるゴルフ団体が歩調を一つにして、ゴルフを五輪種目にと動いているなか、日本でもゴルフ場支配人連合会がゴルフ団体として初めて決議表明した。
ゴルフを五輪種目にという意味では、開催国が競技種目を決定できた96年のアトランタ五輪の際、公開競技としてゴルフをマスターズの開催コース、オーガスタナショナルGCで行おうという動きがあった。
しかし、当時、女性会員がいない、黒人会員を入会させないなどオーガスタの会員問題のため、見送りになったという経緯があるだけに、実現に向けてのゴルフ関係者の思いには強いものがある。
現在、ゴルフ以外に正式種目の座を争っているのは空手、7人制ラグビー、スカッシュ、ローラースポーツ、さらに復活を期す野球やソフトボールなど全7種目だ。
今秋10月、デンマークのコペンハーゲンで開かれる国際オリンピック委員会(IOC)理事会で、東京が立候補している2016年の開催都市とともに、2種目の新規競技種目が決まることになっているが、もし、東京での開催とゴルフの正式種目採用がダブルで決定すれば、ゴルフ界にとって願ってもない。
オリンピック正式種目採用に向けて、まさに秒読みとなったこの時期、他の種目との比較でも、ゴルフが選ばれる可能性が高いという声が強い。
「スポーツとしての国際性や競技人口の多さなどから見ても、ゴルフが最右翼では」(東京オリンピック招致委員会関係者)
とはいえ、日本のゴルフ界では、英米ほどの目立った活動が見られないのが実情である。
そんななか、全国約1900コースのゴルフ場支配人で構成される日本ゴルフ場支配人会連合会では、先月19日の総会で、今後、ゴルフのオリンピック正式種目採用に向けて活動していくことをゴルフ団体としては初めて決議した。
が、同会のある関係者は、「あくまでも活動の主体は日本ゴルフ協会、プロゴルフ協会、女子プロゴルフ協会など。そちらから要請があれば、支配人会としても協力は惜しまないが、われわれ自身が積極的に動くことはまだ考えていない」といかにも歯切れが悪い。
支配人会の決議にはある大物プロのサジェスチョンもあったというが、肝心の各団体が具体的活動をほとんど行っていない。
「JGAとしては、今年の各団体出席の新年会でそういう話は出たのですが、いま具体的に何か動くということはありません」(JGA関係者)。
これはPGAでも同じ。
それを考えると今、決意表明をしただけでも一歩前進といえないわけでもない。オリンピックの正式種目に採用されることは、世界のゴルフ界にとって長年の夢。
日本のゴルフ界も、夢の実現に向けて最後の最後まで努力を重ねてほしいものだ。
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