今年4月25日、裏高尾の木下沢保安林が、市民の憩いの場『こげさわの森』としてオープンした。整備に要した資金は、ゴルファーから集金している「緑化協力金」。だが、そもそも、普段なんとなく払っている緑化協力金とは、一体何なのだろうか。
1回のプレーごとに50円の緑化協力金を集金しているのは、『ゴルファーの緑化促進協会(略称GGG)』という社団法人。
GGGの会員ゴルフ場を通じて集金された50円のうち、5円が集金手数料としてゴルフ場に残り、残る45円のうち5円が事務局の活動費。32円を地方緑化事業、8円を全国緑化事業に使ってもらうよう寄付している。
このGGG、会長はNTT特別顧問の児島仁氏。理事長はダンロップスポーツエンタープライズ元社長で、ターゲットパートナー代表の大西久光氏。理事には財界の大物がずらり。
創立は1976年。創立の音頭をとったのは、この当時、経済同友会代表幹事を務めていた、日本興業銀行元特別顧問の中山素平氏だ。
「ゴルフ場が環境破壊の囚のようにいわれ、自治体がゴルフ場の開発を規制し始めていた時期だったから、ゴルフだって社会に貢献できることを世間に知ってもらいたい。そのためにゴルファー自らが行動を起こそうという趣旨で、中山氏が三井不動産の江戸英雄氏や、住友不動産の安藤太郎氏らに声をかけて発足した」(創立当時のいきさつを知る関係者)という。
創立からの30年間で、累計366コースから、累計約100億円の寄付を受け、これまでその約8割が緑化事業のために寄付されてきた。
ただ、ピーク時には年間6億円ほど集まった寄付も、今や2億円前後に減ってしまった。プレーフィの低価格競争が展開されるなか、少しでもプレーフィを安くしたいコースにとっては、たとえ50円でも抵抗があるということなのだろう。
ピーク時には300を超えた会員コース数も、今ではその半分以下とのこと。
「会員となってくれるコースを増やすべく、今後はもっとPRに務め、我々がこういう活動をしているということを、ゴルファーに広く知ってもらうようにしたい。これまでは集金してくれるゴルフ場にほとんど恩返しをしていないが、今後は、ゴルフ場にも何かインセンティブがあるような制度も考えていきたい」(大西理事長)という。
現在国内に存在するコースは約2600。GGGの会員コースはその5パーセントにも満たない計算になる。
「2大外資のコースの加盟率が上がると随分違ってくる」(大西氏)というが、社会全体でエコ意識が高まるなか、どんな形でエコに貢献するかは各コース、各個人、各企業の考え次第。
とはいえ、ゴルファー個人がエコに貢献できるる手段として、1プレーごとに50円をゴルフ場に払う、というシステムが手軽であることは間違いないだろう。
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