今、巷のゴルファーたちの間で人気になっている、ちょっと不思議なドライバーがある。東京・台東区に本社があるラパコジャパンの「スキッターIS430」がそれだ。どこが不思議なのかといえば、そのシャフトがビックリするほど軟らかく、グニャグニャと表現してもいいくらいなのだ。ロートルクで硬めのシャフトが主流の今、どんな人に合うクラブなのだろう。
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シニアに人気のシャローフェースIS430のほか、ディープフェースの450もある
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グニャグニャとはいえ、実際に打ってみると、もちろんシャフトはしなるが、シャフトの中にしっかりした芯がある感じで、軽く振ってもタイミングよく振り切れる。実際に使っているゴルファーによると、方向性も弾道も、そして飛距離も文句なしだとか。
開発者のラパコジャパン・谷戸一雄社長は、もともと国際興業でパワービルトを担当していた。20年ほど前に独立、当時一世風靡したドライバー、「ツアーチャンプ」の開発に携わるなどした。スキッターは4年前、シャフトの特許を取得したのを機に売り出した。
「スキッターの最も大きな特徴は、シャフトの中にシャフトを入れたWシャフトの構造になっていること。この構造が特許となっています。このシャフトは、どんなヘッドにもマッチしますから、シャフトの交換をしに、訪れてくる人が、このところ増えています」(谷戸社長)
軟らかいシャフトというと、ヘッドスピードの遅い非力な人、女性やシニア向けのイメージがあるが、スキッターは二重になったシャフトが方向性と飛距離をアップさせ、ヘッドスピード15~60m/sの、どんなレベルのゴルファーにもマッチするということだ。
最近では口コミが評判を呼び、シニアプロの間でスキッターファンが増えているという。榎本七郎プロもその一人だ。
「よくできた、いいクラブ。体をゆっくり使わないと効果が出ないシャフトがついているから、スウィングをチェックするにも最適だよ」
一方、フジクラのゴルフクラブ相談室、柏谷氏から、「誰にも合うシャフトはあり得ない。軟らかいシャフトはタイミングがゆっくりなスウィンガータイプには打てても、パワーヒッターには打ちづらいのでは」という声も。
だが現在のところ、スキッターはショップでは扱われておらず、試打会の会場でしか購入することができない。
「お客さんには実際に打っていただいて、性能のよさを納得した上で買っていただきたい。お客さんの顔が見えないのがイヤなんです」(谷戸社長)
価格は、シャフト単体では1本4万2000円と5万2500円の2種、クラブでは9万8000円と10万8000円。けして安いものではないだけに、試打会でしっかり試してから購入を決めたほうがいいかも。
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