全米オープンが終了した今、7月9日から開催される全米女子オープンに目を向けているUSGA(米国ゴルフ協会)。この全米オープンと全米女子オープンが5年後の2014年に、初めて同じコースでしかも2週連続で開催されることが決まった。ほかにも、米国女子プロ協会(米LPGA)、日本の女子プロ協会などが初めて国際ツアー連盟に加盟が認められるなど、ゴルフ界の最新ニュースを追った。
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2014年に男女両メジャーを連続開催するパインハーストR&CC
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まず、メジャー競技の全米オープンと全米女子オープンが2週連続開催されることに関して、USGAのデビッド・フェイ・エクゼクティブディレクターは語る。
「私は、これが本当に女子ゴルフ界と全米女子オープンに大きな話題とチャンスを生み出すものと思っている。また、女子だけでなく多くの人々にもメリットがあるはずだ」。
コースはノースカロライナ州の名門パインハースト・リゾート&CCのナンバー2コース。
同一コースで大会が連続で開催されるとなれば、コースセッティングも若干の変更で済むだろうし、ギャラリースタンドやポスピタリーテントもそのまま使える。
ある意味、これも不況対策といえなくもない。加えて、試合数減などで不況の影響をもろに受けている米LPGA救済の意味あいもある。
男女のオープンと全米アマをセットでTV局に放映権を売っているUSGAとしては、TV局の経費削減にもなると売り込みを図れるし、女子オープンの視聴率アップにもつなげることができる。
ゴルフファンにとっては、男子のプレーが頭に焼き付いているなかで、同じコースで、女子プロがどんなプレーをするのか興味もわく。
この発表に関しては米LPGAももろ手を挙げて大歓迎。
「USGAの発案に拍手を送るとともに感謝したい。USGAの今回の決定には、本当に興奮している」と米LPGAのC・ビべンス・コミッショナーが、手放しで喜ぶように、スポンサー獲得に苦慮するLPGAの追い風となることが期待されている。
もう一つの“初もの”も女子ゴルフ界の追い風といえそうだ。
6月16日、プロツアーの国際ツアー連盟(インターナショナル・フェデレーション・オブ・PGAツアーズ)に、米LPGAなどが初めて加わることが発表されたのだ。
「すでに私たちは10カ国で試合を開催し、約30の異なった国のプレーヤーがいるが、これでさらに重要な一歩を踏み出すことになるだろう」とビベンス・コミッショナーは語る。
今回の発表では、米LPGAだけにとどまらず、日本、韓国、オーストラリア、ヨーロッパ、アジアの女子プロ協会とともに、韓国と中国のゴルフ協会も同時加盟が明らかになった。
“2016年のオリンピックの種目にゴルフを”、という働きかけの主役が、JGA(日本ゴルフ協会)やUSGAが加盟する国際ゴルフ連盟(インターナショナル・ゴルフフェデレーション)から、プロツアーの国際ツアー連盟に移行する動きがあるなかで、ツアーの連盟に女子ツアーも加える必要が出てきたのだろう。
もともとは国際ツアー連盟は、ワールドゴルフ選手権(WGC)を開催するために1996年に発足したものだったが、これで、USGA開催の男女両オープンのダブルヘッダーに加えて、LPGAの試合とWGCのダブルヘッダーなどということもあるのかもしれない?
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