高反発ドライバーにはいまだに根強いニーズがあるようだ。中小・地クラブメーカーの中には、高反発ドライバーに商機を見いだそうとしているメーカーもある。そんななか、新発売されたモデルの“売り”は意外や、やさしさにあった。
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高反発のニューモデル、カムイ456シルバー、8万4000円。さて売れ行きのほどは?
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現在、高反発モデルをカタログ商品としてラインナップしているのは、本欄で先般取り上げたイオンスポーツのほか、カムイワークス、エナなど。このうち、カムイワークスは高反発オンリーの09年モデル『カムイ456ゴールド』のほか、高反発と適合モデルのどちらかを選べる『カムイ456シルバー』『アシリ460エンブレム』など5機種を発売している。
2008年以降、ルール適合モデルを主力商材としてきた同社が方向転換に踏み切ったのは、
「適合クラブで飛距離が落ちてゴルフが楽しくなくなった。なぜ高反発を作らないのか、といった問い合わせが直営店を通じて数多く寄せられた」(カムイワークス・生田直樹氏)のが最大の理由だ。
また、同じように、高反発モデルの『エナDXシリーズ』、両方を選択可能な『エナタイクーンシリーズ』などを展開するエナでも、
「需要があるというのが一番。なければ作りません」(エナ・竹内一氏)と言い切る。
さて、気になるのは最新高反発モデルの実力だ。フェース素材の供給メーカーがSLEルール以降、新素材の開発をストップしたため、反発性能そのものはそれほど上がっていないといわれるが。
「超高反発を競っていた時代は400cc前後のヘッドが主流。それから50~60cc大きくなった分、スウィートエリアが広くなって高反発の性能を引き出しやすくなっています」(カムイワークス・生田氏)
高反発クラブのアドバンテージは飛距離だけではない。エナは8月に発売する超軽量ドライバー『エナ-SP』シリーズを例に取ると、適合モデルの『エナ-SP』が258グラム・C2(46インチ、R)なのに対し、高反発モデルの『エナ-SP1』はさらに13グラム軽い245グラム・C1。
このうち6グラムがフェース重量(残り8グラムはグリップ重量)の差で、これが何を意味するかといえば、
「フェースが軽い分、重心を後ろに下げられるので、スウィートエリアが広くできるし、打ち出し角も高くなります」(エナ・竹内氏)とやさしさにおいても高反発はメリットが得られるという。
「個人的にはSLEルールで飛びを制限することはいかがなものかと思いますが、決まったルールは守るべき。高反発クラブを作りたいのなら、再びルールを変える運動を始めるべきでは」(クラブデザイナー・竹林隆光氏)と安易な高反発クラブ復活の動きに警鐘を鳴らす意見もある。
結局のところユーザーが何をクラブに求めるか、その判断が問われているともいえよう。
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