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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 8/11号
2009/8/1更新
モラル低下への警鐘か?
キャンセルフィ復活のコースが増

 ひと昔前は、ゴルフ場では所定の日時より以降に予約を取り消すと、キャンセル料を請求されるのが普通だったが、最近はあまり見かけなくなっていた。ところが、昨年辺りからキャンセル料を導入するコースが目立って増えてきた。果たして、その背景とは?


キャンセルフィ導入でモラル低下が防げればいいが。笠間東洋GC

 全国のゴルフ場の支配人で組織する日本ゴルフ場支配人会連合会によると、増加するキャンセルをどうしたらいいかとの声が、会員の間で最近とみに高くなっているという。

「ネットで簡単に予約できるようになった反面、キャンセルすることに抵抗がなくなったのか、安易にキャンセルする傾向が強くなっているようです」(同会関係者)

 東西の人気コースを見ても、茨城GC(茨城県)、太平洋クラブ御殿場(静岡県)、西宮CC、東広野GC、小野グランドCC(いずれも兵庫県)では1人3000円~5000円、グリーンフィの半額、あるいは1組1万円と、料金はそれぞれ異なるものの、キャンセル料をしっかり取っている。

 そんななか、笠間東洋GC(茨城県)では、この9月予約分からキャンセル料を徴収することに。キャンセル料は土日祝日プレーのみで、プレー日の7日前以降のキャンセルに関して1組1万円を予約者宛てに請求する。

 同GCの昨年1年間のキャンセル数は約350組。やはりここ数年、ネット予約の増加とともにキャンセル、それも無断キャンセルが増えてきたという。

「社内ではキャンセル料を徴収すると、来場者数が減ったり、お客さんとのトラブルが心配だとの声もあったのですが、ゴルファーのモラル低下を予防するためにも導入すべき時期に来ていると判断しました」(石川佳久キャディマスター)

 昨年10月からキャンセル料の徴収を始めた中央都留CC(山梨県)でも導入の背景は同様だ。豪雨の日ともなると無断キャンセルが当たり前という状況をゴルファーのマナーの問題と考え、マナー違反を許してはいけないと敢えて導入を開始した。

「効果は大きいですね。例えば、予約している日に雨の予報が出ると、別の日に振り替える方などが増え、キャンセルの数自体はかなり減りました」(内田彰支配人)

 同CCはゴルフ運営大手のPGMグループのコースだが、同グループ広報によると、現在、キャンセルに関するグループとしてのガイドラインを策定すべく関連部署で検討を進めているそうだ。

 しかし、一口にガイドラインといってもそれを決めるのは決して容易ではない。むしろ、「雨の日のキャンセルが多いのであれば、雨天時は料金を割り引くなどの特典を設け、キャンセルを未然に防ぐような対策を講じることが必要なのでは」(PGM広報)

 予約のキャンセルというと、ネット利用者が増えて以来、増加してきたと、どうしてもネットが悪者にされがちだが、この点をGDO(ゴルフダイジェスト・オンライン)にたずねると、

「ルール違反のキャンセルをするのは、あくまでも個人のマナーの問題。ゴルフ業界全体でゴルファーのマナーアップを考えるべきことであり、それをネット利用者ばかりのせいにするのはどうでしょう?」(広報担当)との反論が返ってきた。

 ルールを守ることはゴルファーにとって基本中の基本。プレー中ばかりではなく、それ以前のモラルアップを大いに心掛けてほしいものだ。

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