昨年6月に外資のPGM傘下に入った総武CCが、昨年8月から今年4月までの新規入会者を対象に実施したアンケートで、女性の比率が16.3パーセントだったことが明かになった。かつては女性の受入れにはなにかと冷たかったゴルフ場も、女性ゴルファーの増加とともに徐々にその姿勢を変えつつあり、思いのほか敷居は低くなっているのだ。
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老舗ゴルフ場もハウスのリニューアルを機に女性会員権を売り出したが……(三田GC)
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女性は女性会員が保有していた会員権しか取得できないというルールは、かつてはさほど敷居が高くないコースでも適用されていた。が、近年はさすがに状況は変わってきている。
「今もこのルールを維持しているコースは関西ではほんの一握り。どこのコースも背に腹は代えられない。名変料収入もプレーフィも欲しい。それにはプレーをしにきてくれる女性に一人でも多く入会して欲しいということになる」(ゴルフダイジェスト社大阪会員権サービス部・加納秀治支社長)。
昭和5年開場の三田GC(兵庫)は、クラブハウスのリニューアルで女性用の施設を充実させ、今年4月から2年間有効の女性会員権を1口10万円、目標定員200名で募集を開始した。待遇、年会費、会員特典いずれも正会員と同じで、10万円全額が2年後には返ってくる。
2年後に正会員への移行希望者をどうするかなどの対応は今の時点では未定だが、「とにかくプレーをしてもらい、クラブライフを体験してもらうことが目的」(三田GC)だという。
ただ、約4カ月が経過した7月28日時点で入会者は23名。
富里GC(千葉)では、昨年夏から、平日利用の女性会員権の募集を開始している。1口71万円で、目標口数は200口。同GCは正会員が約1400名、平日会員が550名ほどいるが、「平日の利用が少ないので、女性の利用を増やすことで、平日の利用を活性化させたいと思って」(同GC)の募集だったが、入会ペースは緩慢だ。
女性ゴルファーの裾野拡大策で先行しているアコーディア・ゴルフも、緑野CC(群馬)で昨年暮れから、一口8万4000円、目標口数100口で女性平日会員権の募集を開始しているが、こちらも7カ月が経過したところで、入会者数は28名。
城里GC(茨城)も、2年ほど前から女性と50歳以上のシニアを対象にした平日会員権の募集を行っているが、こちらも入会ペースは緩慢。「思いのほか入会希望者は少ないですね」(同GC)という。
とはいえ、女性ゴルファーが増え始めたのはまだここ2~3年のこと。「会員権を買おうとまで思うのは、腕が上がり、頻繁にコースに出かけるようになってから。会員権を買う女性が増えてくるには、まだ暫く時間がかかるのでは」(PGM広報)という声も。
アコーディアも、今の状況を「毎月コンスタントな入会ペース」と見る。
「女性用のバスルームが狭いなどのインフラの問題は、改装のタイミングで改善が進み、インフラ上の障壁はかなり解消してきているし、敷居の高さも緩和されてきている。外資を中心に、割安な会員権を、練習場などで知り合った友達同士で購入する女性グループも増えてきている」(ゴルフダイジェスト社会員権サービス部・田嶋一弘課長)。
ビジターとしてあちこちのコースへ出かける女性ゴルファーは間違いなく増えている。彼女たちが腕を上げる頃には、女性が当たり前のように会員権を買う時代がくるのかもしれない。
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