全英リコー女子オープンで3位タイに入った宮里藍に米女子ツアーでの賞金女王の可能性が出てきた。8月17日時点で、約131万ドルを稼いで賞金ランキングのトップを走るのは、クリスティ・カー。追う宮里は、103万ドルでランキング4位。「ひと皮むけたような気がする」と父親の優氏が語るように、上り調子の宮里藍にとっては、十分射程圏内に入ってきた。
|
賞金女王が射程圏内に見えてきた宮里藍
|
「ラウンドしている時は、この1打がいくらかとか、全然考えていなかった」と笑って語っていた宮里だが、もし全英女子オープンで優勝していたら、カーとの差は一気に5万ドルにまで縮まっていたはず。
現時点でのカーとの差、30万ドルは優勝賞金に換算すれば約1.5試合分。十分賞金女王を狙う射程圏内といえる。
宮里は、米ツアー初優勝・エビアンマスターズでの優勝賞金を加えて初めて100万ドルを超える賞金をシーズン中盤戦で手にした。しかも、米ツアーの生涯獲得賞金で日本人トップの岡本綾子が20年かけて稼いだ金額を1万3000ドルほど抜いて、276万ドル強としているのだ。
もっとも、岡本が活躍していた時代とは、賞金額が異なることから、わずか4年間で宮里が岡本を抜いたといっても、比較にはならないが、もし賞金女王の座につけば、岡本が日本人としてただ1人獲得した賞金女王の座を22年ぶりに受け継ぐことになるのだ。
現在、賞金ランキングの2位には、シン・ジエ(約118万ドル)、3位にキム・インキョン(約106万ドル)、そして宮里の次の5位にポーラ・クリーマー(約91万ドル)と続いている。
この上位5名のうち、今季2勝しているのはシン・ジエだけ。ポーラ・クリーマーに至っては、今季14戦して、宮里と同じくトップ10に8回入っているもののまだ勝ち星はない。
表を見ればわかるが、全米女子オープンからの過去3試合は5人ともに参戦しているが、宮里が、もっともよい成績を収めている。
実際、その宮里は、昨年から比べると、すべてのカテゴリーで、ランキングを上げている(表参照)。
米女子ツアーの残りは11試合だが、そのうちの5試合は、11月の日本開催のミズノクラシックを含めて、米国以外の海外の試合。カーは、昨年、アジアの試合には参戦していないことを考えれば、逆転のチャンスは十分ある。
もっとも、宮里本人は、自身のブログで「次の(来年のメジャーの)ナビスコまで、もう半年少しです。時間は待ってくれません。前進あるのみ! ですよね。(中略)これからまだどんなシーズンになるのかわからないけれど、コツコツ自分のプレーを重ねてゆくだけです」と語っている。
つまり、宮里の目はすでに来年のメジャーに向いているということで、賞金女王はプレーの積み重ねの結果でしかないので、あえて狙っていないということのようだ。
今後の予定は8月末のセーフウェイクラシックから4試合、アメリカで参戦すると伝えられているが(昨年は全英女子オープン後、ミズノを含めて5試合に参戦した)、マネジメント会社は、「今後のスケジュールに関してはまだ確認が取れていない」と明らかにしていない。
しかし、様々な情報を総合すると、賞金女王の座がかかっているとはいえ、宮里は自分のペースを守り、米ツアーでの参戦数を増やすことは考えていないようなのだ。
これから終盤戦にさしかかる米女子ツアーと宮里の動向に注目したい。
|