今週8月20日~23日には18年ぶりにツアー競技に復帰した関西オープンが開催される(於・宝塚CC新コース)。賞金総額5000万円と規模が小さいため出場選手の顔ぶれが心配されたが、昨年優勝の石川遼をはじめ、シード選手のほとんどが顔を揃えることになりそうだ。しかし、その一方で、この大会がツアー競技になったことで、悩み迷ったというプロがいる。その理由とは?
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昨年は石川遼が優勝した関西オープン。今年はシードの出場選手が増えるので、どうなるか?
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関西オープンは日本オープンの1年前、1926年に第1回が行われたオープン競技の草分けで、今年が75回目となる。また、他の各地区オープン(北海道、中部、中四国、九州)と同様、成績上位者に日本オープンの出場権が与えられる仕組みになっている。
昨年は石川遼がこの大会を制して日本オープンの出場資格を獲得。そして、2位になったのをきっかけに、その後の快進撃につなげた。
この日本オープンの出場権をめぐる件で、プロの困惑があったというのだ。
ツアーの出場資格を持たないある若手プロの悩みだが、「最初は関西オープンの予選会から挑戦して日本オープンの出場権を狙うつもりだったんです。でも、ツアー競技となったことで予選会のレベルが上がるだろうし、本戦への出場枠が昨年よりずっと少なくなるとのことだったので(昨年の51人から17人に)、ハードルが高いかなと思いました。だったら、他の地区オープンにするか、それとも賞金はないけど日本オープンの予選会に挑戦するか、本当に迷いました」という。
ただし、北海道と関西以外の3地区オープンは、地元のプロ組織に登録していない他地区のプロの出場は原則認められていない。
もうひとつ、迷う理由がある。成績上位者に与えられる日本オープンの出場枠だが、今年は関西への割り当てが一段と多くなりそうなのだ。
地区オープンからの出場枠は例年50人ほどで、各地区へは「地区オープンの出場者数(予選からの合計)」と、「過去3年の日本オープンにおいて各地区オープンから出場し、決勝ラウンドへ進出した選手の数」を4対6の割合で計算し、配分される。
そのため年ごとに割り当て数が大きく変動することはないのだが、それでも関西ゴルフ連盟は、「今年は予選競技の出場選手数が増えましたし、昨年は日本オープンに出場した11人中8人が決勝ラウンドに進んでいますので、昨年よりは何人か増えると思います」(事務局)と計算している。
同事務局によれば、今年の予選会には昨年より61人多い366人が出場。うちプロは昨年より27人増の243人となった。それゆえ、本戦出場がかなえば、そこから日本オープンに出られる可能性は他地区オープンより大きいともいえる。
他地区に比べて圧倒的に大きな賞金総額とも合わせて、どの地区オープンへの出場を選ぶのか。選手には難しい選択が迫られていたようだ。
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