ゴルフ場にとって平日の集客は共通の課題だが、その対策として、かつては一部のコースでしか実施されていなかった“組売り”が急速に普及、そのおトク度も急上昇中。ほかにも、曜日ごとに割引内容を変えたサービスを打ち出したゴルフ場も人気を呼んでいる。ゴルフ場の工夫の集客術に迫った。
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組売りデーから予約が埋まる、かさまフォレストGC
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まずは2年前から組売りを導入している、かさまフォレストGC(茨城)。
毎月、最終週の月曜日を『組売デー』に指定。何人で予約しても一組2万1000円(セルフ)なので、4人で予約すると一人当たりは5250円。
8月の通常のビジター料金は7800円だから、通常料金なら4人分で3万1200円。実に1万200円もおトク。ほぼ2人分がタダになる計算だ。
この『組売りデー』を狙って来場する常連も少なくないらしく、「組売りデーから先に予約が埋まる」(平野支配人)ほどの好評ぶりだという。
大手外資のPGM系・千成GC(栃木)も、ネットの予約専用プランで、8月28日(金)、9月8日(火)、9月28日(月)の3日間限定で1万2000円の組売りを実施する。この時期の平日の通常料金は5800円。通常料金で4人分だと2万3200円。1万1200円もおトクなので、こちらもほぼ2人分がタダになる。
PGMでは「4月以降、個別コースごとの判断で、組売りを実施するようになり、6月までの3カ月間で千成GC、富岡CC、京CCなど関東圏の9コースで実施した。割引率はコースごとによって多少違うが、おおむね1人当たり30パーセント程度」(PGM広報)だという。
1人30パーセントなら4人で120パーセント。確実に1人分以上はタダになる計算だ。
各ゴルフ場は、GDO、楽天GORA、E-golfなど、コース予約サイトにそのサイト限定の割引プランを提供する一方で、自社サイトへダイレクトにアクセスしてくれたゴルファー向けのプランも用意している。
コース予約サイトを丹念に見ていくと、平日の組売りはもはや珍しくなくなっていることがわかる。「1人分がタダになる」と銘打っているゴルフ場もなかにはあるが、そう謳っていないプランにこそ、計算してみると1人分がタダどころではない割引き率になっているものがあったりする。
そんななか、ユニークなプランを打ち出しているのが古川CC(宮城)だ。
月曜日は『ウルトラマンデー』と称し、風呂は使えないがシャワーは使えて平日通常料金4700円のところが3500円。これは組売りではなく、お1人様でもこの値段。
火曜日は『炎のチューズデー』で通常料金の4700円で回り放題。木曜日は『ミステリーデー』で、週替わりのプランの日。
距離に応じたプレーフィの割引きがついたパッティング大会では、5メートルを入れるとプレーフィ無料(1メートルを入れると1000円割引。2メートルなら2000円割引)、に挑戦する人も。併設ロッジのペア宿泊券プレゼント付きのあみだくじなどもあった。
いずれも6月以降に始めたプランだが、「一番人気は木曜日。電話でイベント内容を確認し、来る、来ないを決める人もいる。来場者数は3割は増えた」(西岡支配人)とか。
木曜日が一番人気ということは、ゴルファーは必ずしも値段だけで選んでいるのではないことがわかる。
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