レディスのアイアンセットといえば、かつては5番~PWの6本セットが主流だった。ところがユーティリティ(UT)の進化と浸透により、最近は7番~PW、SWまでの5本が主流になり、なかにはPWまで4本、さらには実質8番からのセットも誕生している。改めてレディスのアイアンセットのトレンドを見てみると……。
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7番はUT、アイアンは8、9番の2本のみ、これにウェッジ2本のサスクワッチ・スモースクエアアイアン
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ナイキのレディスで、今や人気の定番的存在になっているのが「サスクワッチ・スモースクエアハイブリッドアイアン」(5本セット)。このセットは7番アイアンの代わりにサスクワッチのUTの7番が組み入れられ、アイアンは8番~ウェッジ(2本)の4本だけという。
「非力でボールが上がらないという女性にも、ゴルフを楽しんでもらうよう追求して生まれたセットです」(ナイキジャパン)
アイアンセットの歴史は、打つのが難しいクラブがFWなり、UTなりにとって代わられ、セットを構成するクラブが徐々に変化してきた歴史でもある。
「長いアイアンが打ちにくい理由が、ミート率の低さであれば、練習で克服することもできますが、実際は非力でボールが上がらないからなんです。それを克服するのはFWやUTに換えるしかないわけで、僕は10年前から、いずれアイアンセットにUTが組み込まれるようになるだろうといってきました」(クラブ設計家・竹林隆光氏)。
その予想通りの展開になっているのだが、竹林氏は、現在のアイアンセットも過渡期で、セットの構成はまだまだ変わっていくという。
こうしたトレンドを先取りしたともいえるのが、ヨネックスのレディスセットだ。同社のFLコンポジットアイアンの主力セットは7番~PWまでのわずか4本(5本セットもある)。
「UTの打ちやすさの進化とプロへの浸透ぶりを見て、2年ほど前から、アイアンの本数を少なくしUTを自由に選んでもらう時代が来るだろうと考え、ニーズを先取りしたつもりです」(取締役企画宣伝部長・山本美雄氏)
一方で、大変になったのがショップ側だ。かつては1セットでクラブ8~9本売れたのが、今や1セット4~5本。本数が減れば売り上げにも響く。加えてアイアンとともにUTの説明もしなければならない。その分、手間も時間もかかる。
「本数が減れば儲けも減りますが、反対に買いやすくもなります。応対もていねいにすることでリピーター効果につながる」と前向きに考える首都圏のあるショップの声も。
しかし、こんな話も。「お客様の力量だけでなく、どんなゴルフがしたいのかを聞いてから、クラブの構成の相談に乗っています。ただ、女性客にはスタイル重視の方も多く、その場合はUTよりアイアンの本数を多くしたがりますから、簡単ではありません」(二木ゴルフ・アメ横本店)
男性にもアイアン4本セットの時代が訪れるのだろうか。
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