政府が、今年3月から土日祝日に限り実施していたETC利用の高速道路料金の割引が8月6、7日と13、14日の平日にも拡大された今年のお盆期間。高速道路はどこも渋滞気味だったが、この期間、ゴルフ場の来場者はどうだったのか。渋滞エリアを中心にお盆期間のゴルフ場に話を聞いた。
高速道路各社が発表したお盆期間(8月6~16日)の高速道路の利用状況を見ると、料金割引の効果か、1日平均の交通量は昨年の4万7800台から今年は5万4500台と14パーセントアップ、30キロ以上の渋滞も昨年の23回から54回と2倍以上も増えたとのこと。
期間中の上り線、下り線の渋滞ワーストはともに東北道。上り線は13日(木)午前4時15分頃、矢板北PA付近で69キロ、下り線は同日午前7時35分頃、矢板IC付近で42.6キロが記録された。
一方、昨年に比べて交通量が8パーセント減ったのが東名高速だった。11日朝、午前5時7分頃に発生した駿河湾を震源とする地震で路面が一部崩壊、上り線が袋井IC~静岡IC間、下り線が静岡IC~菊川IC間で一時不通となっていたためだ。しかし、この不通の影響は、近隣ゴルフ場へは意外やほとんどなかったという。
不通区間周辺のゴルフ場では、「スタートに遅れたお客様が若干いましたが、うちは浜松周辺の方が多く、大きな混乱はありませんでした」(静岡CC袋井コース)
「私どものお客様は抜け道をよく知っていらっしゃる地元の方が多いので、高速の不通も問題なくキャンセルが1、2組あっただけでした」(ミオス菊川CC)
地震そのものの被害は少なかったが、当日は台風9号が接近していたこともあって、伊豆半島エリアのゴルフ場ではキャンセルが続出。伊豆GC、伊豆スカイラインCC、伊豆湯ヶ島Cでは臨時クローズとなった。
これに対して、地震と台風の影響、東名高速不通も加わり、去年に比べて来場者が半減したというのが裾野CC。藤原峰之支配人は、「10日が台風の大雨、11日が地震、そして12日からお盆の渋滞が始まって特にメンバーの来場が減りました。おそらく昨年の3割減でしょう。渋滞に巻き込まれる可能性の高い10時以降のスタートはほとんど入らない状況でした」
東名高速の交通量が減った分、迂回路となった中央道の交通量は22パーセント増だった。ただし、ゴルファー自身が渋滞を避けるべく対応策を講じたためか、大月CC、富士桜CCなど周辺のゴルフ場でも大きな混乱はなかったようだ。
観光客が集中して大きな渋滞を招いたのが東京湾アクアライン。本誌の記者が14日(金)にアクアラインを利用して千葉県の大多喜CCに出かけたところ、帰途夕方4時に木更津北ICで14キロの渋滞に遭遇。
しかし、海ほたるSA通過後は渋滞が一気に解消、以後はスムーズに通行できたとのこと。アクアライン渋滞のネックは観光地化した海ほたるにあるといえそうだ。
アクアラインに関しては、渋滞は今後も日常化しそうだが、それを懸念して周辺のゴルフ場からは、こんな声も。
「会員さんは土日に利用することが多いので、アクアラインの週末の混雑を気にされていますね。会員募集にも影響が出そう。ほとんどの方がそのことを聞いてこられます」(きみさらずGL)
このほか、渋滞ワーストワンとなった東北道方面のゴルフ場では、「お盆渋滞よりも台風の影響のほうが大きく、10、11日はキャンセルが相次ぎました。栃木県内のゴルフ場はほぼ全滅だったのでは?」(大日向CC)という。
渋滞については、今やお盆期間は混むとの情報がゴルファーに織り込み済みなのかも知れない。
そのなかで、こんな声も。「お盆のこの時期、スタートに遅れるのはお客様もゴルフ場も、ある程度は仕方がないと諦めています。しかし、それでも遅れるという連絡をしてこない人が増えているのはいかがなものでしょうか? マナーの低下としかいえないですね」(アローエースGC)とゴルファーのマナー低下を嘆く声も聞かれた。
高速道路の渋滞が思わぬところに波及しているといえそうだ。
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