今、ツアーの現場でプロがテストしているシャフトが『アッタス』、『新ディアマナ』、そしてアイアン用『モトーレi』が注目を集めている。今秋発売されるニューシャフトの傾向をプロやプロ担当クラフトマンの証言から探ってみた。
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飛びに特化した新ディアマナ(左)と、日本人向けのアッタス。プロの間での評判は上々
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まず米国でも人気が高い「USTマミヤ」の新しいブランドとして9月10日に発売されるのが『アッタス』だ。
USTの看板ブランド『プロフォース』は、米ツアーでトップクラスの使用率を誇り、日本ツアーでもジャンボ尾崎らハードヒッターが愛用。スチュアート・シンクは、最新モデルの『プロフォース・アクシブコア』で全英オープンに勝った。
しかし、海外のプレーヤー向けに作られたものは日本人ゴルファーにはハード。そこで、「手元側の最外層に4軸シートを巻くことでヘッドの暴れを抑えつつ、日本人にも使いやすいように、少しトルクやしなりを大きくし、バット径も細めに設計したのが『アッタス』」(USTマミヤ・今井忍氏)という。
米ツアーでは、すでに今田竜二やアーニー・エルスら、また、日本ツアーでも、丸山茂樹や谷口拓也が『アッタス』にリシャフト済み。
「これまでの『プロフォースV2』に比べると球が簡単につかまってくれるのに、球がぶれる心配もない」(谷口拓也)とその安定感が評価されている。
一部で噂されていた『ディアマナ』の2010年モデルは、セガサミーカップで初めて選手用に持ちこまれた。カラーは赤だが、「従来の『赤マナ』の後継モデルではなく、製品化されるモデルはオレンジになります」(MRCコンポジットプロダクツ・深山克己氏)。それでは一体どんなシャフトなのか。
「タイミングが合いやすいし、飛ぶ」と話すのは、初めて試打したその日のうちに、フェアウェイウッドまで入れ替えた矢野東。同じ日にリシャフトした鈴木亨も「つかまりがいいシャフトだ」と好感触を口にする。
また、「キャリーが出るようになった」(竹本直哉)、「球がすごく上がるので飛ぶようになった」(小山内護)など、これより以前にプロトタイプを試したプロからも、つかまりや打ち出し角の高さなど、先調子系シャフトの特徴を挙げる声が多かった。
「弾き系の『バサラG』とテイストが似ている」(前出・深山氏)との証言もあり、これまでディアマナが安定性寄りだったのに対し、今度の『ディアマナ』は飛び性能を重視していることがうかがえる。10月頃には市販される見込みだ。
一方、フジクラは、この春発売した『モトーレ』に続きアイアン用の『モトーレi』を9月25日から発売する。
プロトタイプを使用している中堅女子プロの前田久仁子によれば、「カーボンは久しぶりですが、以前のように曲がったり、飛距離がバラついたりしないので驚いています。球も上がりやすくスチールには戻れないかも」と言う。
また、重量も45、60、75グラムと用意されているので、軽量スチールからのリシャフトも違和感がなさそうだ。
秋に発売される新シャフト、市場ではどういう評価を受けるか、売れ行きに注目したい。
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