8月21日から23日まで、裾野CC(静岡県)で今シーズンのシニアツアー開幕戦ファンケルクラシックが行われた。この大会、シニアの大会を待ち焦がれれたわけでもないだろうが、ギャラリー数がこれまでのシニアツアーの最高を記録。同じ週に開催された男子ツアーの入場者数をも超えた。シニア大会大盛況のワケとは――。
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家族向けギャラリーサービスも奏功した
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室田淳、中嶋常幸、倉本昌弘、渡辺司らが激しいトップ争いを演じるなか、残り2ホールでバーディフィニッシュをした尾崎健夫が2位に3打差をつけて振り切り、2年連続の同大会優勝とシニア4勝目をマークした。
今シーズンのシニアツアーは全6試合。長引く不況の影響を受けていることもあってか、昨年の9試合から3試合の減少という向かい風の中でのスタートだった。
しかし、実際にフタを開けてみると3日間のギャラリー数は1万9174人を記録。同期間に開催された男子レギュラーツアー・関西オープンの1万4008人(於・宝塚GC新コース4日間)、女子ツアー・CATレディス(3日間於・大箱根CC)の1万3963人を上回ったばかりか、従来のシニアツアーの最多ギャラリー数である1万5555人(07年・アデランスウェルネスオープン)をも破るという上々の滑り出しとなった。
優勝した尾崎も、「僕が勝ったことよりも、これだけ大勢のファンが来てくれたことが本当に嬉しい。これからの試合もシニアの代表として頑張りますよ」とコメント。予想外!? のシニアツアーの盛り上がりを素直に喜んでいた。
一方、同クラシックに出場していた本誌でもお馴染みの青山薫プロも、選手と観客が一体になった、過去にない本当に素晴らしい大会だったと振り返る。
「レギュラーツアーで活躍したビッグネームが出場し、しかも最後の最後まで白熱した試合展開だったからね。ファンの皆さんも喜んでくれたと思う。選手のほうもあれだけのお客さんが入って、盛り上げてくれれば当然いいところを見せようとがんばる。通常のトーナメントでは当たり前のローピングがなかったのもよかった。試合中の選手とギャラリーが言葉を交わせるからね。大会の主催者であるファンケルのギャラリーに対するサービスも素晴らしかった」
同大会は今年で9回目。3年前から、ゴルフファンだけではなく、家族揃って来てもらえるような楽しいイベントにしようとギャラリーサービスに特に力を入れてきたという。
「今回はヤギやポニーなどの小動物に触れていただける子ども広場を開設したり、女性の皆さんにはお肌のチェックがしていただけるようなコーナーを作ったりと、さまざまなイベントで盛り上げを図りました。今年のギャラリー数はここ数年の努力が実った結果だと思いますね」(ファンケル広報グループマネジャー・中村太郎さん)
中村さんによると、当日実施したテレビ中継の視聴率は3.2パーセント(関東地区・ビデオリサーチ調べ)でCATレディスの10.6パーセントには及ばなかったものの、開催コース裾野CCのある静岡地区では衛星放送でも放送され、大いに盛り上がったという。
試合数こそ減ってしまったものの、シニアツアーはベテランプレーヤーたちの卓越した技術が、何よりも見もの。“量より質”のシニアツアーには、これからも大いに注目していきたいところだ。
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