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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 10/27号
2009/10/16更新
来年1月の規制を前に角溝ウェッジが
駆け込みで続々登場、市場に活気

ゴルフ用品業界は、これから年末にかけて2010年モデルの話題で賑わう。モデルチェンジイヤーに当たる『ゼクシオ』などのビッグネームの動向も気になるところだが、一足先に商戦が熱を帯びそうなのは、来年1月よりツアーでフェースの溝が規制される「ウェッジ」だ。メーカーの“駆け込み発売”に沸くウェッジに迫る。


片山晋呉使用モデルの「オノフS-フォージド」

 多くのメーカーの足並みが揃ったのには理由がある。2010年、すなわち来年1月1日以降、「クラブフェースの溝の新しい規則」が施行され、いわゆる角溝ウェッジはルール違反となる。

 ただし、この新規則が来年から適用されるのはプロの試合のみで、日本アマなどJGA主催競技は2014年からの適用。また、一般のアマチュアに関しては2024年までの長い猶予期間が設けられており、少なくとも向こう15年間は角溝ウェッジを使用できる。

 それならば、大多数のゴルファーは、SLEルール導入時のように慌ててクラブを買い替える必要はなさそうだが、問題はクラブメーカーが角溝ウェッジを作れなくなること。経過措置として、クラブメーカーには2010年末までは現行モデルを製造することが認められているが、2011年以降に製造されるのは新規則に適合するウェッジのみとなる。メーカーにとって今年中に出したモデルは来年も継続して作ることができる。そこに各メーカーが今やっきになっている事情があるわけだ。

 あるメーカーによれば、ラフから打った場合、新規則適合ウェッジのスピン量は角溝ウェッジに比べて40~50%も減少するというテストデータもあるそうだ。

 あえてこの時期を狙うからには、現在のルールに則って角溝ウェッジのスピン性能を徹底的に追求するのは当然の流れ。実際に、多くのモデルは、スピン性能の高さを売り物にしており、中には「究極のスピン」を謳うモデルまで現れた。

 “グリーンを噛む”ような強烈なスピン性能を連想させるネーミングを与えられたのが、キャロウェイの『XシリーズJAWS』(11月中旬発売予定)だ。
「ミーリングによる角溝だけでなく、高重心設計や抜けの良いソール形状など、究極のスピンを楽しんでいただけるウェッジです」(キャロウェイゴルフPR・手島純氏)

 ミズノの『MP-T10』(11月13日発売予定)は、溝に求められる要素(幅、深さ、傾斜角、縁の鋭さ)を最適化するなど、
「スピン性能にこだわって、今できる限りのことをしました。ミズノ歴代モデルの中で最高のスピン性能を持つウェッジ」(ミズノ広報宣伝部・西田維作氏)という。

 このほか、片山晋呉使用モデルとして、ツアーで求められるスピン性能や形状を徹底追求した『オノフ S-フォージド ウェッジ』(グローブライド)や、溝の容積を大きくしてラフからのスピン性能を向上させたツアープロ仕様の『588ツアーアクション フォージド ノンメッキ』(クリーブランドゴルフ)などが、この秋に発売された角溝ウェッジの最新モデルだ。

 新ルール施行間際での角溝ウェッジの発売は、駆け込みととらえられがちだが、メーカーは、
「(SLEルールの時と違って)アマチュアであれば現行の角溝ウェッジをこの先も長く使えるし、プロのようなスピンをかけることはゴルフの楽しみの一つ。それを提供するのがメーカーの責務」(キャロウェイゴルフPR・手島氏)とあからさまな便乗商法とは違うことを強調する。

 また、一部ユーザーが買い溜めに走るのではという見方もあるが、これには、「この先、さらに魅力的なウェッジが出てくるし、ボールも改良されると思います」(ミズノ広報宣伝部・西田氏)との回答も。

 あと1年。現時点で最高のウェッジを求めるのは当然だが、あまり先の事を心配して慌てる必要はなさそうだ。

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