先月9月25日~27日、新潟県下で開催された「トキめき新潟国体」のゴルフ女子個人で15歳、札幌市立西岡中学3年生の藤田光里さんが、73、71のトータル144のイーブンパーで優勝した。男子では伊藤誠道くんなど、このコーナーでもしばしば取り上げている「スーパー中学生」がいるが、女子でもいまや競技ゴルファーの年齢はどんどん若くなっている。ほかにも、14歳ながら男子プロ競技に出場する選手もいる。若年化が進む女子ジュニアを追った。
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国体初出場で、女子個人の部優勝の藤田光里さん。また1人、ヒロインが誕生した
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今回の国体では、光里さんは、昨年の世界ジュニア選手権15~17歳の部で団体優勝した酒井美紀さん(18歳)とともに同着優勝だった。国体のゴルフ女子個人は、少年・成年のカテゴリーに分かれている男子とは異なり、95年4月1日以前に生まれた選手は誰でも出場できる。それだけに、中学生の優勝は快挙だ。
ゴルフ好きの父親、孝幸さん(56歳)の勧めで光里さんがゴルフを始めたのは3歳の頃。小学校2年頃から孝幸さんのコーチのもと、本格的にゴルフに取り組み、06年の弊社ゴルフダイジェスト・ジャパンジュニアカップ9~11歳の部ではプレーオフで破れ2位入賞、さらに今年6月の北海道女子アマ選手権では中学生として初優勝するなど、北海道では注目を集める存在だっただけに、今回の国体優勝も決してフロックではない。
「試合前はベストを尽くせればいいと考えていました。2日目のハーフを終えた時、ドライバーもアイアンもパターも悪いところがなかったから、もしかしたら優勝できるかなと思いました。精神的には強いほうなので、プレッシャーは感じなかったですね」(光里さん)
将来は強くて誰からも好かれるプロになりたいという光里さん。夢がかなう可能性は限りなく大きいといえるだろう。
一方、プロの世界、それも男子のトーナメントに挑戦する14歳、中学2年生の女子選手がいる。今月8日、9日にサンロイヤルGC(兵庫県)で開催された男子チャレンジトーナメント第10戦「サンロイヤルGCカップ」に出場した石山千晶さんだ。
得意なクラブは168センチの身長を生かして飛ばすドライバー。平均飛距離270ヤード超、ベストドライブ300ヤードという男性顔負けのパワーを誇る14歳には、女の子という表現は似合わないほど。
「男子のトーナメントに出場できることは、自分にとって良い経験になると思います。パープレー目指して頑張ります」
という石山さんだが、本誌が出た時、どんな結果になっているか楽しみだ。
こうした女子中学生ゴルファーの台頭について、ジュニア界に詳しい千葉晃プロは、
「まず、女子は男子に比べて体型的に成長が早いことがありますね。それに今、中学生ジュニアを取り巻くゴルフの環境が昔に比べて格段と良くなっています。道具が進化して中学生でも使いやすくなり、いい指導者も増えました。何より大きいのは中学生たちが出場できる試合が多くなってきたことでしょう」と分析する。
さらに、海の向こうアメリカでも、女子ツアー、ナビスターLPGAクラシックで14歳のA・トンプソン(米国)が2日目に10アンダーでトップタイに並ぶ大健闘。最終的には6アンダー27位タイに終わったものの、トーナメントを大いに盛り上げた。
今、ゴルフ界は高校生プロ、石川遼が大人のプロを負かしてブームをリードしているが、それを考えれば中学生ジュニアが活躍することも十分ありうるということなのだろう。
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