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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/3号
2009/10/22更新
1ドル90円割れも。円高でクラブは安くなった?
メーカー、並行ショップの思惑

為替相場は今年9月26日には1ドル80円台に突入し、その後も1ドル90円前後で上げ下げを続けている。米国のサブプライム問題をきっかけに2007年から続いている円高は、ゴルフ用品の価格にも微妙な影響を与えている。


ピンの2010年モデル、G15は円高還元で値下げを敢行した

 2010年モデルを値下げしたのはピンゴルフジャパン。07年10月に発売された『G10ドライバー』のメーカー希望価格が4万8000円だったところ、09年9月発売の『G15ドライバー』には4万4500円の売価をつけた。
「円安の時は値上げせず企業努力で吸収してきましたが、円高差益はユーザーに還元します」(ピンゴルフジャパン・マーケティングマネジャー・岡田健二氏)

 これに対して、他の外資系大手クラブメーカーは模様眺めの様相。テーラーメイドは今年、フラッグシップモデルの『R9ドライバー』を6万3000円の「戦略的価格(安値)」で発売したが、
「為替の動きとは関係なくぎりぎりのラインで価格を抑えた結果。円高が何年も続けば見直さなければなりませんが、グループ内取引の為替レートが一律に保たれていて、短期の相場変動が業績に跳ね返って来ることはないので、すぐに日本での小売価格を下げたりはしない」(テーラーメイドゴルフ・喜田眞氏)

 また、別の大手メーカー担当者も、「為替の動きはチェックしていますが、価格変更は予定していません」と明言するなど、円高即輸入クラブの値下げという流れにはならないようだ。

 そのなかでピンゴルフジャパンが値下げに踏み切れたのは、他メーカーが世界共通価格化を進めるなか、市場に合わせて価格を変動させる戦略をとってきたため。また、他社が中国などに生産拠点を分散することで流通が複雑化しているのに対し、ピンゴルフの場合は、米国内にヘッドの生産拠点を置いているため、臨機応変な対応ができる。

 どうやら今回の円高でクラブメーカーはそれほどの影響を受けてない、というのが実状のようだ。その要因として、これまで何度も円高危機を経験し、為替変動に対するリスクヘッジが行われていることが挙げられる。

 スリクソンブランドを輸出する一方、クリーブランドを輸入しているSRIスポーツは、
「ある程度先を見て為替予約を行っているため、短期的な変動の影響は受けにくい」(SRIスポーツ広報部部長・山田照郷氏)という。

 このほか、「組み立てを欧米に分散することで為替リスクが少なくなっている」(ミズノ広報部・西田維作氏)というメーカーもある。

 では、この円高によるユーザーのメリットがほとんどないのかといえば、そうではない。為替相場が価格に反映されやすいのが並行輸入もののクラブだ。
「商品の売れ行きや同業他社の動きを見ながら決めるので、レートに合わせて価格が変わるわけではありません」(ジーパーズ仕入れ担当)
とはいうものの、ここ2年ほどの円高と米国内の不況の影響で並行輸入ものの店頭価格はじわじわと下がり、以前は存在しなかった6本セットで2万円台、3万円台のアイアンセットに人気が集まっている。

「生鮮食料品と同じでそのときどきが勝負」(同仕入れ担当)なだけに、円高の恩恵に少しでも多く預かりたければ、並行輸入クラブを扱う業者のホームページなどでこまめに価格をチェックすることが肝要のようだ。

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