このところ新聞の一面では日本航空の再建策をめぐる動きが連日大きく報じられているが、同社は先日あるゴルフ競技会でも話題になった。毎年優勝候補の筆頭に挙げられる全日本実業団対抗ゴルフ選手権を今年は欠場したからだ。そのワケは……。
全日本実業団対抗(主催・日本経済新聞社)の決勝大会は10月18日、千葉県の鳳琳CCで開催された。21回目となる今年の大会には、前年10位までのシード企業と今年の予選を勝ち抜いた計37企業が出場。代表4選手がいずれも70台で回った本間ゴルフが初優勝した。
「大会の雰囲気に飲まれず、実力を発揮することができれば、優勝争いに加われるとは思っていました。でも、この大会の上位は実力伯仲ですから」と本間ゴルフのチームスタッフ。
3位になったマルマンの桑木野洋二氏(マーケティング部副部長)も「シードチームは実力的にどこが優勝してもおかしくない大会です」と語る。両社を始め、各企業とも学生ゴルフ経験者が多く、アマチュア競技ではレベルの高い大会なのだ。
そのなかで例年優勝候補の一角に挙げられていたのが、パイロットが代表を務める日本航空だ。決勝大会には昨年まで18年連続出場。01年~03年の3連覇を含む通算5度の優勝で、11位以下に沈んだのは2度しかない。
その日航が今年は出場を見送った。「表彰式の席上、主催者側が総評で日航の欠場に触れたときには、会場がザワめきました」(本間ゴルフ)。
同社をめぐって国民の税金を使う再建策が話題になっていたときだけに、「やっぱりね」などと囁かれていたそうだ。
日本航空の広報部に欠場の理由を確認すると、やはり「仕事に専念しなければならないときですから、選手のほうから自粛したとの連絡を受けました」とのこと。もっとも大会側の関係者に聞くと、「選手は『本当は出たいんですけどね』と無念そうに話していました」と話す。同社はここ3年連続で4位にとどまっており、今年はタイトル奪回に燃えていたに違いない。
それにしても、日航のパイロットにはどうしてゴルフ巧者が多いのだろう。以前、この大会でも活躍した某パイロットは、「年間150ラウンド以上はしてましたから」と明かす。海外などフライト先では必ずゴルフをしていたそうだ。
「海外渡航先で時差ボケを抑えるには、ゴルフが一番です。しかも、パイロットは狭いコックピットにずっと座る仕事ですから、フライト後に体を動かしたくなるのは当然。彼らがゴルフをする気持ちはわかります」
と、海外出張も多い植山周一郎氏(国際経営コンサルタント)。
日航再建が難航中だが、そうしたパイロットたちのゴルフライフはこの先一体どうなるだろうか。
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