> 雑誌・出版情報 > BACK 9 WEB
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/17号
2009/11/5更新
男子「裏・賞金王」決定。
裏シードトップ選手の活躍度を追跡した

 石川遼と池田勇太の活躍で注目を集める男子ツアー秋の陣だが、下位の選手にとってはそろそろシード確保が気になる時期でもある。そんななか、今季の全日程を終えた「チャレンジトーナメント」では、早々に来季のシードが確定した。


わずか1万6120円差で来季フル出場のキャンベル。薄氷のトップだった

 今季のチャレンジトーナメントは「PRGR Novilカップファイナル」(10月20日~23日)で全11試合を終え、同賞金ランキング上位7人(1位クリス・キャンベル、2位佐藤えいち、3位呂偉智、4位貴田和弘、5位市原弘大、6位白佳和、7位高山準平)が来季の出場権を獲得した。

 この最終戦は、10戦目を終えた時点での上位30人だけが出場できる言わばラビットたちの日本シリーズだ。その注目は、来季のフルシーズン出場権をもぎ取るための賞金王争いである。その争いを演じていたのは、ランク1位(613万6154円)に輝いたクリス・キャンベルと2位(611万9944円)に終わった佐藤えいちの2人だったが、その金額の差はたったの1万6210円だった。

 賞金ランクトップでこの大会に臨んだ佐藤は、初日に77を叩く乱調で最下位スタートだったのが最後まで響いてしまった。2日目以降、69・70・70と連日アンダーパーをマークしたが通算2アンダーの24位で、佐藤に加算された賞金は19万5000円。一方、キャンベルは通算9アンダーで11位タイに入り、32万1750円を獲得し賞金王の座を獲得した。もしキャンベルが1打落としていたら14位タイとなり加算額は30万円に届かず、2位に甘んずる薄氷の戦いでもあった。

 同トーナメントの賞金ランキング上位者には来季の優先出場権が与えられるが、この人数は年間試合数によって変動し、今季は7人の枠が用意されていた。しかし、1位と2位以下では雲泥の差がある。1位には翌年1年間のフル出場の権利が与えられるのに対して、2位~7位の選手に与えられるのは、来季前半戦でリランキングが行われるまでの出場権。つまり1位はツアートーナメントの賞金シードと同等の扱いを受けるのに対し、2位以下はQT上位の選手と同じ立場になるのだ。

 では、過去にこの特典を生かしてツアーに昇格した裏の賞金王たちの活躍はどうだったのだろうか。

 03年と昨年、チャレンジの賞金王となった上平栄道は、04年ツアーでは、賞金ランク175位と苦戦したが、今年はブリヂストンオープン終了時点で賞金ランク79位と賞金シードにあと1歩と善戦している。

 07年にチャレンジランク1位となりツアーに昇格した松村道央は、08年に4352万円余りを稼ぎ、賞金ランク28位で堂々のシード選手になった。

 しかし、松村のようにチャンスを確実にモノにする選手いる一方、06年のチャレンジ1位の小野貴樹は、07年ツアーで18試合に出て予選通過はわずかに7試合で、賞金ランク129位と賞金シードに遥かに及ばず、QTへ逆戻り。04年の1位だった木村佳昭もやはり05年ツアーで20戦して予選通過は5試合しかなく、賞金ランク117位でシーズンを終えている。

 賞金シードや特別シードを持たない選手がスポンサー推薦以外でツアーに出場する資格を得るためには、ファイナルQTで上位に入るか、前年のチャレンジトーナメントで上位に入るか、2つの道があるが、では、どちらがより実力があるのか、という疑問も湧いて来る。

 ここ数年のチャレンジ1位とQT1位を比較してみると、別表のようになる。これを見るとチャレンジトーナメントの賞金王もツアートーナメントで70位以内の賞金シードに入るのが、いかに難しいことなのかは一目瞭然。賞金額がツアーの10分の1以下という安い稼ぎを我慢して年間10試合以上も戦って来たチャレンジ組と、セカンドQT、サードQTを勝ち上がり6日間の長丁場となる過酷なファイナルを潜り抜けたQT組。いずれにせよ、表舞台に立ち続けるのは、容易なことではないようだ。




バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト

ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です