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本誌連載「千里の道も」で、坂本遼が同スコアの相手より先にアテスト箱にスコアカードを入れるシーンを参考にして最終組の座を取った石川遼
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先の男子ツアー、マイナビABC選手権で石川遼が最終日最終組になるために急いでスコアを提出したという報道がされた。その裏にはどんなからくりがあったのか、そして石川はなぜ、そんな選択をしたのだろうか。
国内の試合では、男子は予選ラウンド、女子は初日(4日間競技は男子と同じ)は主催者がペアリングを決定する。しかし決勝ラウンドは、男女ともスコアの上位から最終組に組み込まれるシステムとなっている。
では、同スコアが複数いた場合はどうなるのか。男子は優先順位となるのが、スコアを提出した順番(女子はその日のティオフ順)。今回、1枠空いていた最終組に入るためには、同組で同スコアだったキム・ヒョンソンより1秒でも早くスコアを提出する必要があったのだ。
実は石川がこのシステムを知ったのは、本誌連載の漫画『千里の道も』からだった。「16番から最終組で回るのはどうしたらいいか考えていた」とずっと意識をしていたという。
選手のなかには、優勝争いの重圧を避けて前の組を臨む場合があるが、石川は「僕はトップが見えてゴルフをするほうが、気合が入る」と言い切る。
石川が今回のように狙って最終組に入ったのは07年の日本シリーズに続いて2度目。優勝はできなかったが、次こそ、チャンスを生かして優勝をゲットしてもらいたい。
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