ヨネックスといえば、石川遼効果の用品用具の契約メーカー。いままでシニアに支持されてきたメーカーだったが、石川遼との契約以来、08年の同社ゴルフ部門の売上げはこの不況下でも102.3%と前年よりアップだという。
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石川遼効果でブランドイメージが大幅に変わってきたヨネックス
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石川遼という強力な助っ人を得て、同社が特に力を入れているのは、これまで弱いとされてきた若年層の取り込みだ。ナノVジュニアシリーズの発売、また、高校ゴルフ連盟にチームウェアを提供するなど追い風に乗っている今、イケイケの状況で、事業の幅を広げようとしている。
「遼くん効果で認知度アップは手ごたえを感じています。若い世代にも当社のイメージがよくなってきた。若い世代は今まであまりやってこなかった分野だけに力を入れていく」(同社企画宣伝部)。
同社の考えをよく表しているのが、08年に対前年比400%という驚異的な伸びを記録、同社ゴルフ部門の好調な売上げを牽引しているウェアだろう。
従来、同社のウェアはシニアが主力ということもあり、オーソドックスなデザインが多かった。しかし、人気アパレルメーカーにいたデザイナーを新たに採用するなどしてテコ入れ。これが奏功して若年層へのアピールも成功しつつある。こんなヨネックスを用品業界はどう見ているのか。
若年トップアマに人気のゴルフショップ、ニューオーシカ・大鹿寿一氏は「シニアブランドのイメージはなくなった。ただ、クラブ拡販やジュニア市場にせよ成果が出るにはまだ時間がかかるのでは」と話す。
大手量販店の二木ゴルフ・藤平高氏は「たしかに今、大きく伸びているが、それは元々の数字が小さかったから。これからも今の勢いを持続していけば大きな存在になる」と、ブランド力の強さに期待している。
石川遼効果の追い風に乗ってヨネックスが裾野を広げていけば、ゴルフ界の勢力地図も大きく変わってくるかもしれない。
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