高校は三学期を迎える。一般誌ではたびたび石川遼の進学問題がで取り沙汰されている。3年生になってから、ほとんど高校に行っていない石川は卒業できるのか。父の勝美氏と杉並学院・吉野弘一校長に話を聞いた。
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高校生活も残り3カ月となった石川。大学進学は見送りになった
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吉野校長は、
「石川君は、1年生のときは予選落ちもあったため、出席日数も多く33単位を取っています。2年生でもマラソン大会に参加するなど、まずまずで32単位でした。しかし3年ではほとんど試合で、あまり出席できませんでした。ただ文部科学省の学習指導要領では、学校独自の教科の設定を認めています。そこで“挑戦”という教科を学校で新設しました。その教科のなかに“ゴルフ科目”というものを作りました。それで得られる単位は20単位。最終的には2月3日の卒業判定会議で決まりますが、卒業に必要な74単位は十分に満たしています」と言う。
また石川自身も得意の英語の勉強以外にも独自の努力をしている。
「プロアマで『どんな本を読んでいるの?』という質問にきちんと答えられるように、しっかり読書をしています。テストのための読書より、ずっと実用的な国語の勉強だと思います」と勝美氏。
さらに海外で賞金を貰えば、交換レートやその背景にある公定歩合のことなどにも興味を持つし、ヘッドスピードとボール初速の関係などゴルフならではの知識も豊富だ。
「先日は沖縄で普天間基地を見たし、全英ではエジンバラへ行き、歴史や英国特有の国民気質などについて考える機会がありました。結果的ではありますが、こうして学んだことを学校がどう評価してくれるのか、だと思っています」(勝美氏)
石川は遠征先で級友から送られて来る「授業進行日誌」に従って教科書を開いていたが、勝美氏が「通信教育のようなもの」というこのシステムの発案者は吉野校長。「いつ教室に来ても、すぐに溶け込めるように」との配慮だったということで、高校卒業は間違いなさそう。
大学進学については、早稲田、明治とさまざま報じられてきたが、12月22日に父の勝美氏は、
「本人も大学に行きながらプロゴルファーをやる、というのは受け入れられないだろうと思っているようだ」と進学という選択は当面ないことを示唆した。「もし行くとしても、教える側、臨時講師などの形になるのでは」と言う。
卒業式は3月8日。学友と歌う“仰げば尊し”は、きっと胸に沁みるだろう。
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