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東海クラシック18番。ラフから7Iでピン横につけバーディ
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飛躍的な進化を続ける石川遼のゴルフだが、それをつぶさに見てきたキャディの加藤大幸さんに、遼の09年ベスト3ショットを挙げてもらった。
「ベスト1は、何と言っても東海クラシックの最終日18番(465ヤード・パー4)のセカンドでしょう。テレビ中継では放映されていませんけれど、あれを打つ前に携帯カメラの邪魔が入って、一度仕切り直してからのショットだったんです」
右サイドに切られたカップに向かってフェードでベタピンにつけたこのショット、石川自身は「もっと左を狙ったんです」と語っていたが、父・勝美氏は「狙いは確かにもう少し左だったのでしょうが、ボールの位置が5ミリ左だったとか、本能的な部分で無意識にフェードボールを打ってしまったのかもしれませんね」と分析する。
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KBCオーガスタ18番パー5、3Wで抑えて打って2オン
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グリーンを狙うフェードボールの精度が上がったのも09年の収穫の一つだ。
ベスト2はKBCオーガスタ最終日の18番(568ヤード・パー5)。プレーオフに残るためには、イーグルが絶対に必要な場面だった。
「ピンまで260ヤード。すごい向かい風で僕は絶対に届かないと思っていたらイーグルチャンス」
と加藤さんはそのときの状況を語る。8メートルのイーグルパットは入らなかったが、プレーオフに持ち込むにはイーグルが最低条件となる場面での2オンは、ギャラリーを大いに沸かせたシーンだった。
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日本オープン17番。仕切りなおしたがバーディパットを沈めてガッツポーズ
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加藤さんが3番目としたのは、日本オープン最終日の17番(372ヤード・パー4)のバーディパット。
「あれが入らなければプレーオフに残れないという場面で、5メートルの下りのフックラインを入れました」
残念ながらプレーオフでは小田龍一に敗れたが、17番のパットがあったから名勝負を作れたと言ってもいいだろう。09年の課題の一つに「カップをオーバーするぐらいに打って、なおかつ返しを外さない」というパットに関するものがあって、その成果が出た場面でもあった。
オフになった昨年12月に沖縄で行われたドラコン大会に参加。自己最長の367ヤードを叩き出した。ドラコン用の特別仕様ドライバーではあったが、「今年一番よく振れました」とビッグドライブを喜んだ。かねてから「350ヤードを真っすぐに飛ばす」ことを大きな課題として取り組んできている石川にとって、2010年ツアーに向けて飛ばしのヒントを得た1打でもあったようだ。
こうして課題を一つ一つクリアして成績を残して来た石川。2010年は「真っすぐ350ヤード」でマスターズVも夢じゃない?
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