セルフプレーの普及と共に、一般ゴルファーの間でも浸透してきたのが距離測定器。最近ではGPS機能も付き、正確性が増し、アマチュアゴルファーには強い味方になっている。そんな便利な器具が、以前は使用禁止だった一部の試合でも使用できるようになっているという。
使用できるようになったきっかけは、08年のルール改正。「アドバイス」の定義で、距離に関する助言はアドバイスと認めないと変更されたことに伴い、規則14-1注「委員会はプレーヤーが距離のみを計測する機器を使用することを認めるローカルルールを制定することができる」となった。
その結果、国内のプロの試合ではJGTO管轄の男子レギュラーツアーの試合はないが、シニアなどを管轄するPGAでは07年「ビッグ・ライザック・シニア」では、スポンサーの距離測定器限定で使用を許可。さらに一昨年、昨年のウイニングツアー(将来を担う選手達のための試合)でも使用できた。
女子でもレギュラーツアーでは使用不可だが、昨年、下部ツアーのステップアップで距離計測器のShot Naviが大会名についている「パー72/Shot Naviレディス」で、スポンサーの要請により使用が認められた。またグアムで開催したステップアップの大会でも使用できたという。
さらに各県のプロ会が主催する大会などツアー競技以外では使用OKが増えているという。この現状について、本誌でもおなじみの久古千明プロは、
「これからは当たり前になっていくでしょう。距離がわかっていて、それをしっかり打ち分けられるかどうかが技術ですから。これまでツアーで販売されているヤーデージブックは、測定器で測ったのだから同じこと」と、この傾向が強くなると予言。
また自作でヤーデージブックを作り続けているトップアマの水上晃男さんは、
「私も試合以外では使ってきたが、ヤーデージブックは距離だけでなくグリーンの傾斜やレイアウト、バンカーの位置を描き込んであるのでこちらも使い続ける」スタンスは変えないと言う。
ただし、規則上認められているのは、距離に関してだけ。風などが測定できるものは厳密にはルール違反だ。距離が正確に打てるのは腕前次第だが、水上さんのようにゴルフは自然との戦いが面白さのひとつ。自分の見たものや直感で距離をジャッジする楽しさもゴルフの醍醐味として残しておきたい気もする。
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