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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 3/2号
2010/2/19更新
石川遼、池田勇太が初出場する
「マッチプレー」を10倍楽しむ方法

 ゴルフの格闘技と言われるマッチプレー。2月17日~21日開催のWGC-アクセンチュアマッチプレー(リッカールトンGC)は、世界ランキング64位以内(欠場者が出た場合は、出場権が繰り下がる)のトップが集結する大会。日本からは2009年の賞金ランク1、2位の石川遼、池田勇太の2人が初参戦するが、マッチプレーならではの駆け引きや心理状態を理解できれば、さらに試合を堪能できるはず。


1打1打で流れが変わってくるマッチプレー。タイガーも09年は2回戦で敗退している

 マッチプレーにはストロークプレーにはない、独自のルールがある。例えばホールに近いほうが先にショット(またはパット)をした場合はクレームをつけ、打ち直しさせることができる。そのため相手がいいショットを打ったときでも打ち直しが要求できるし、ミスショットならば、そのショットを有効にすることができるのだ。

 競技としてはアマチュアでよく使われている。日本アマ、日本女子アマは2000年から決勝ラウンドがマッチプレーに変更になったほか、海外でも全米アマから、クラブ選手権まで広く行われている。

 しかしプロの世界では、今年1月に行われたアジアVS欧州のザ・ロイヤルトロフィや、米国VS欧州のザ・ライダーカップなどの団体戦はあるが、各ツアーの賞金ランクに加算される個人戦では、欧州ツアーの世界マッチプレー(今季は日程調整中)ぐらいしかない。

 かつては全米プロや日本プロなどもマッチプレーで行われていた時期もあった。03年まで開催された日本プロマッチプレーは、数々の名勝負でテレビの視聴率を稼ぐ試合でもあった。なかでも87年のジャンボ尾崎VS高橋勝成の決勝戦は、37ホール目にもつれ込む熾烈な戦いだった。それを制して“マッチの鬼”と呼ばれた高橋に、観戦のツボを聞いてみた。

「相手がグリーンを外すなど、勝負が動きそうなとき、選手のアドレスに入る秒数を数えてみるとかリズムに注目すると、心理状態がわかって面白いですよ。駆け引きもあるので選手の性格もよくわかります。OKを出す出さないや、OKするタイミングなども見所です」

 こんな例もある。00年の日本プロマッチ。横尾要と谷口徹が決勝で対決したが、前半の18ホールで4アップとした横尾に対して谷口が「スロープレーの度が過ぎる」と競技委員に抗議。競技委員は許容範囲としたが、一応、横尾に伝えた。

 すると後半に急いでプレーした横尾は8番までで谷口に1ダウンと逆転を許した。しかしそこから横尾は「相手が8ホールで5つ取れるなら、自分にもできる」と奮起し、2&1で勝利。それだけ精神的な揺さぶりに左右されるのがマッチプレーなのだ。

 さて、若い石川と池田が世界のトップを相手にどんなプレーを見せてくれるのだろうか。




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