中国では2月14日の春節(旧正月)を挟んで長期休暇が取られ、工場のなかには2月中はフル操業しないところもあるようだ。その影響は、今まさに新製品の発売にかけるゴルフ用品メーカーにも及び、今年はとりわけ中堅以下のメーカーを苦しめていた。
某中堅メーカーの担当者は、
「大手メーカーは大規模工場のラインを長期契約で押さえ、計画的に生産できるので大丈夫なのですが、うちのような規模の会社が発注する広東省の工場は大手メーカーからの注文優先で後回しにされたところに、この春節休みで、今年は当初2月の納品の予定が4月~5月にまで遅れそうです」と頭を抱える。
例年、春節休みによる製造の遅れはあるのだが、今年はそれに加え、中国国内の09年の車の販売台数が世界一になるなど、中国政府主導の“内需拡大策”も大きく影響しているという。また、内陸部への経済政策により労働者の広東省への“移動”に変化が現われている。
さらにこれに拍車をかけたのが米大手メーカーの大量受注だ。これで中小メーカーのクラブ製造は完全にストップ状態になった。
自身のクラブも中国で製造し、クラブ事情に詳しい吉村忠義氏は、
「例年でも職工の20%は春節明けに戻って来ないそうだが、今年はその割合がさらに増えるだろう」と言う。
給料が高騰する中国では次第に工場労働は敬遠され、人手不足はますます深刻化する。新製品の発売が遅れそうなメーカー続出ということにならなければいいのだが。
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