2月19日、ジャパンゴルフフェアでピンが新しいアイアンを発表する。この新モデル、ピンの旗艦モデルに使われる「アンサー」の名が冠せられているが、噂ではピンとしては約45年ぶりの軟鉄鍛造製らしい。週刊ゴルフダイジェスト誌がつかんだ情報をもとにアンサーアイアンの実像に迫った。
ピンといえばステンレスのロストワックス(精密鋳造)というのが定番だった。それがなぜ今、軟鉄鍛造なのか。
「実は60年代の中ごろにピンは限定で軟鉄アイアンを出しているんですよ」というのは、米アーの選手のクラブに詳しい、松本秀樹氏。
「その後、設計面のメリットが多いという理由でステンレスを使っていただけで、軟鉄を嫌っていたわけではないと思います。今回、軟鉄を選んだのは、軟鉄やそれと組合せるタングステンなどの使い方の自由度が高くなったからではないか」と松本氏は分析する。
その目的を、「ピンは、最近慣性モーメントを上げることに力を注いでいる。それが軟鉄鍛造で実現できると判断したんでしょう」と語る。
今、世界の主流は軟鉄鍛造になりつつあるというのは、クラブ設計家の竹林隆光氏だ。
「アメリカでは軟鉄鍛造は高品質、ステンレスは安物というイメージが定着し、ステンレス製が売れなくなっています」
それと同じ現象が、韓国を中心としたアジアでも起こっているという別のクラブ設計家もいる。鍛造を、日本も含むアジア戦略の足がかりにするというピンの戦略が見てとれるようだ。
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