2016年のリオ・デ・ジャネイロ五輪から正式種目となったゴルフ。それを見据え、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)が、今季からトーナメント会場でのジュニアレッスン会を恒例のものにすると発表した。また先日、男子ゴルフの鈴木亨プロが日本ゴルフツアー選手会による“ゴルフ伝道の旅”の一環として、兵庫県の小学校を訪問、教壇に立った。それぞれの内容を調べてみた。
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トーナメント会場でジュニアに向けたレッスンを始めるが、その中から“金の卵”は発掘できるのか?
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女子プロ協会が発表した五輪を見据えてジュニア育成策
「2016年目指せ!世界」と銘打って行われるこのプロジェクトは小中学生のゴルフ未経験者や初心者が対象で、全選手がスタートした後に試合会場の練習場で行うという。できる限りの試合で開催を目指しており、すでに各主催者にこれを打診。
「現在、他のジュニアイベントを開催するヤマハレディスを除き、開幕戦から序盤戦の14試合からは快諾を受けている」と、LPGA側は説明した。
内容としては、試合がある地域近郊のティーチングプロら2人で指導。基本レッスンと、挨拶やルールなどの社会教育を行う。また費用はすべて、これまで寄付などで約4,000万円貯まったLPGAジュニア育成基金で賄い、1年間で約700万円の経費がかける予定。少なくとも五輪の年までは続ける予定だ。
五輪種目となったことで底辺拡大にようやく本腰を入れ始めた各団体。まずはゴルフに触れてもらうこと、という基本的なことが徐々に広まりつつあるようだ。ただ、1度経験しただけで終わらないためには、きちんとしたサポートを業界全体で行うべきなのは言うまでもない。
男子ツアー選手会が進める小学生向け「ゴルフ伝道の旅」って何?
ゴルフ伝道の旅は、昨年、当時選手会長であった宮本勝昌が、
「ゴルフをまったく知らない子どもたちに、ゴルフの楽しさや素晴らしさを伝えて歩こう」
と考えたのがきっかけ。昨年は宮本をはじめ、倉本昌弘、片山晋呉ら7選手が7校を訪れ、スナッグゴルフを楽しんだり、給食を一緒に食べるなど子どもたちとの交流をはかった。
その学校の選出方法を聞いてみると、
「毎年、JGTOがスナッグゴルフを寄贈する学校をホームページで公募しています。そのなかから選ばれた学校に行くことにしていますが、基本的にトーナメントが開催されていない地域を訪れるようにしています」
と三好啓三選手会事務局長。学校を訪問するためには教育委員会を通し、許可をもらう必要があるため、その手順になれたJGTOと連携した形だ。
また訪問するプロについては、
「原則はシード選手のなかに地元出身のプロがいれば、そのプロにお願いしています。また日程が合わない場合や出身者がいない場合は、シード選手にお願いしています」と三好氏。
今回、鈴木は「何かひとつでも得意なものを見つけてほしい」と夢を持つ意義を伝えた。日程次第では今後、石川遼らが学校を訪問することもある。この出会いからゴルフを始め、プロになる子どもが出る日も近い?
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