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オリンピック金メダリストでありながら、プロ通算36勝を挙げたベーブ・ザハリアス
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米女子ツアーで開幕2連勝した宮里藍。「自分ではあまりすごいことをした、という意識はありません」と謙遜するが、実はこれはものすごい記録なのだ。最多連勝記録は『4』で、ロレーナ・オチョアら5人が記録したが、開幕からの2連勝は44年ぶり史上5人目、44年ぶりの快挙。では、その偉人たちはどんな人たちだったのか。
宮里の前に開幕2連勝を記録した選手は、1951年にベーブ・ザハリアス、52年ルイーズ・サッグス、63年ミッキー・ライト、66年のマリリン・スミスの4人のみ。
はじめに達成したベーブ・ザハリアスは、32年のロサンゼルス五輪で、80メートル障害とやり投げ、走り高跳びの3種目に出場し金メダル2個、銀メダル1個に輝いたあと45年、知人の勧めでゴルフに転向してプロゴルファーになった超人アスリート。
ゴルフに転向してすぐの46年には全米女子アマ選手権、翌年は全英女子アマ選手権を制しプロに転向した。デビューイヤーの48年には3戦3勝し、通算36勝を挙げた伝説の女子プロゴルファーだ。しかし、残念ながら56年に、45歳の若さで急逝してしまった。彼女の愛称のベーブは、野球のベーブ・ルースにちなんでおり、ゴルフ界にとどまらず女子スポーツを確立した選手であった。
ミッキー・ライト
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2番目に達成したルイーズ・サッグスは、ツアー通算58勝を挙げた、これまた名選手であった。
そして3番目に開幕2連勝を達成したのが、知る人ぞ知る伝説の名プレーヤー、ミッキー・ライトだ。9歳からゴルフを始め、少女時代から“ベーブ2世”と将来を嘱望された選手。女性版ベン・ホーガンと呼ばれ、ツアー史上歴代2位の通算82勝を挙げ、うちメジャー13勝をマークしている。
彼女のスウィングを江連忠は、「ミッキー・ライトほど完璧なスウィングプレーンを持つ選手はいない」と絶賛する。33歳までになんと80勝と、驚異のペースで勝星を量産したのも連続写真を見ればうなずけるだろう。年間13勝の記録は未だに破られていない。
4人目のマリリン・スミスは、ツアー通算21勝を挙げた実力者で、LPGAツアー創始者に尽力したプロでもあった。
競技人口が増え、近年レベルが急速に上がったなかで、これらの伝説のプレーヤーたちと肩を並べた宮里は、まさに我々日本人の誇り。今年は77年にメジャーを制した樋口久子、87年に賞金女王に輝いた岡本綾子以来となる悲願に期待したい。
江連忠も絶賛するミッキー・ライトのスウィング
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