最近は個人がマンションなどの不動産物件を競売で安く手に入れているが、ゴルフ場も例外ではなくなってきた。国税局が北海道のゴルフ場(18H・クラブハウス付き)を、都心のマンション並みの3,000万円余の見積価額(最低入札価額)で公売にかけることになった。
名古屋国税局が3月9日に実施する公売にかけるのは、北海道釧路市のクレインCC。3階建てクラブハウスも付帯する見た目も立派なゴルフ場で、一昨年秋まで営業していた。
もともとは1977年に摩周湖CCの名称で開場したが、立地が悪いなどから売上が伸びず、これまでも何度か経営交代を繰り返してきた。2003年、名古屋にある東海技研という会社が買収。翌04年からクレインCCとして営業するも4年で閉鎖。その後、国税局に税金滞納で差し押さえられ、今回の公売となった。
見積価額は3,128万円と安価だが、経済事件に詳しい業界関係者は「不動産は税金滞納者が売却するのが通常。差し押さえられたのは、買い手が見つからなかったからでは」と推測する。
ゴルフ場問題に詳しい西村國彦弁護士によれば「一般論でいえば、公売物件も競売物件と同じ。占有者がいるなどの問題もあるので、素人の入札は考えもの」と注意を促す。
ゴルフ場の公売では昨年、群馬県がかんなGCを3,855万円で売却した例があるが、国税局では初めてと言われる。同国税局によると、落札されれば11日に国税局のHPにその買受価額が公表されるという。
また、ゴルフ会員権は国税局やヤフーのオークションサイトでしばしば公売にかけられる。見積価額の多くは実勢取引価格の2~4割といった程度だが、未納年会費等の詳細を慎重に確認することが求められそうだ。
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