日本女子ツアーは韓国のアン・ソンジュがデビュー戦優勝を飾り、今年もまた韓国パワーが吹き荒れそうな予感がする幕開けだった。その同じ日、欧州ツアーのメイバンクマレーシアオープンで、「韓国の石川遼」と呼ばれる18歳のノ・スンヨルが優勝を飾った。
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世界ランクは130位だが、実力は折り紙つき。日・欧・アジアのメンバーになったノ
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メイバンクマレーシアオープンで、韓国の英雄チェ・キョンジュに1打差で競り勝ったノ・スンヨル(盧承烈)は、石川遼と同じ1991年生まれ。2005年に韓国アマ選手権で最年少優勝を果たして一躍注目を集めた。
2007年に、石川と同じく高校1年でプロ入り。その翌年の2008年10月、アジアンツアーのメディアチャイナクラシックで、プロ初優勝を飾った。石川がマイナビABC選手権でプロ入り初優勝を果たしたのは、その2週間後だった。
奇しくも同じような経歴を歩む2人は、英語でメールを交換する仲だが、良きライバルとして意識するようになったのは、2008年7月、日本ツアー選手権の予選2日間を同組でまわったのがきっかけだった。昨年の韓国オープンでも、石川とノは同組でラウンド。日本ではアジアンツアーシードの資格で出場した昨年のパナソニックオープンで9位タイに入り、また年末に行われた日本ツアーQTを12位で通過して、JGTOツアーのメンバーの資格を得た。
メイバンクマレーシアオープンは、アジアンツアーと欧州ツアーの共同開催の大会で、ノは今回の優勝で欧州ツアーのシードも獲得。日本、アジア、欧州と3ツアーのメンバーになったのだ。
さらにその余勢を駆って、先週3月10~11日にマレーシアで行われた全英オープンのアジア地区最終予選でも2位に入り、4位までに与えられる全英オープンの出場権も得た。
現在、世界ランクでは、石川遼の37位(3月15日現在)に対してノは130位(同)と大きく差が開いている。しかし、2つのツアーで優勝経験を持つノは、戦績でいえば石川に決して引けをとっていない。
ローリー・マクロイ、ダニー・リー以外にも、世界的にも世代交代の波が本格的に押し寄せてきた。
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