週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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日本一飛ばない女子プロが見た
遼の妹は「飛びすぎ病」

　石川遼の妹・葉子ちゃんがＴポイントレディスでツアーデビューを果たした。予選落ちに終わったが、先輩プロにはどのように映ったのだろう。

父・勝美氏が同伴して練習ラウンドを行った葉子ちゃん。このときはまだ「アドレナリン」の正体をしらなかった

　２日目に一緒にラウンドした、卓越した小技の持ち主だが、シード選手中もっとも飛ばないプロの宅島美香プロ（25）は、
「中学１年生にしてはヘッドスピードがあって、私の20ヤードは先にいっていました。体重移動の仕方なんかは、遼くんに似ていてまいしたね。私は飛距離にこだわるタイプではないですけど、彼女の場合、遼くんの影響を多大に受けて飛ばしにこだわっているように見えました。ボールが少し吹け上がっていましたが、これからスウィングがよくなれば、もう20ヤードは伸びそうですね」

　宅島プロのコーチ兼キャディを務める橋本大地氏も彼女のスウィングを間近に見て、ポテンシャルの高さを感じたという。
「腰の切り方など飛距離の出し方を知っているスウィングですね。正直いってスウィングの完成度は低いです。でも、日本で一番強いスウィングを間近で見ているのですから、スウィングイメージを脳裏に刷り込ませられるため、彼女の伸びシロは果てしないと思います」

　なんと言ってもまだ中学１年生。ジュニアの試合経験もまだ浅い葉子ちゃんだけに課題は山積だが、その才能の高さを宅島プロは肌で感じたという。
「経験値が少ないのは仕方がないけど、『アドレナリン』をはじめて経験したんじゃないかな。あるパー３で６番アイアンで打ち、グリーンをキャリーでオーバーしてOBした後に、『こんなに飛んだことがない』と言っていました。試合での興奮状態でないと出ない、アドレナリンを初めて感じたことでとても大きな経験をしたと思います。
　アドバイスできるとしたら、アプローチやパターの時間の使い方ですね。私は小技が得意なこともありますが、カップに近づくにしたがって集中力が増します。でも、彼女はその辺の慎重さが足りないような気がしました。小技をもっと磨けば、飛距離も出るので恐い存在なると思いますよ」