マスターズ開幕を目前に米ツアー参戦中の石川遼に、米国版『ゴルフダイジェスト』(月刊誌)の表紙を飾ってほしいというオファーがきたという。
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1993年の米国ゴルフ雑誌の『Golf for Women』で、表紙を飾った岡本綾子
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「たかが米ゴルフ誌の表紙を飾る程度のこと」と思われる読者諸氏もいるかもしれないが、同誌は1950年に創刊された伝統あるゴルフ雑誌で、米国内で約170万部、世界22カ国の国と地域の提携先を合わせると数百万部の発行部数を誇るという老舗のゴルフ専門誌。
日本人選手どころかアジア人選手でも表紙を飾るのは異例で、これまでパーマーやニクラス、タイガーやミケルソンといった世界有数のトッププロしか表紙を飾ることは許されていない。アジア人では、2009年11月号で韓国のY・E・ヤンが表紙を飾っているが、彼はその年の全米プロで優勝したメジャー・チャンピオンだ。
石川も2008年3月号で『ジャンボ尾崎以来のヒーロー』という2ページの記事が組まれたことがあるが、関係者によれば、石川のように話題性のある選手が特集などで扱われることはあっても、米ツアーで実績のない選手が表紙に抜擢されることは過去に例がないという。
掲載号などの詳細は未定だが、どうやら同誌の表紙は石川が単独で飾るのではなく、イギリスのポール・ケーシー(世界ランク5位)とコロンビア出身のカミロ・ビジェガス(同11位)らとの「スリーショット」なる可能性もあるらしいが、詳細は不明。ともあれ、石川が「世界トップ10クラス」としてアメリカで認識されつつあるという証あることは確かだ。
しかし、日本人選手が米ゴルフ専門誌の表紙になったとしても、石川が初めてではない。同社から出版されていた媒体だが、「女性版ゴルフダイジェスト」とでも言うべき女性ゴルフ専門誌『Golf for Women』(2008年に廃刊後、現在は同社のウェブのみで展開)の1993年12月号の表紙に、週刊ゴルフダイジェスト誌連載『ゴルフのほんとう』でおなじみの、岡本綾子が表紙を飾っていたのだ。
アメリカ人以外で史上初のLPGAツアーの賞金女王となった岡本綾子。実力よりも先に、世界のアヤコ級の扱いを受けた石川は、「取材や撮影されたことは光栄なことですが、今後、自分を含めて価値を高めていけるかどうかは、今後の僕のがんばり次第」と語っている。
マスターズでは名実ともに「世界のRYO」であることをぜひとも証明してもらいたいものだ。
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