石川遼にとって、マスターズの前哨戦ともいうべき米ツアー2連戦の緒戦トランジションズ選手権で、初日に83を叩き周囲をハラハラさせたが、続くアーノルド・パーマー招待では、予選突破。その背景には倉本昌弘のアドバイスがあった。
ドライバーの練習に没頭するあまり、アイアンが疎かになったのが、トランジションズ選手権初日での大叩きの原因としていた石川遼。予選落ち後はアーノルド・パーマー招待の会場、ベイヒル・クラブへ移動して早速アイアンの修正に励んだ。
しかし、同招待の初日も2オーバーで、順位は76位タイと予選通過は微妙な成績。そこへ、近郊で合宿中の倉本昌弘が、ひょっこり観戦に訪れたのだ。
同招待に石川とともに出場していた池田勇太は、ジュニア時代から倉本にアドバイスを受けるなど交流がある。しかし、若き賞金王の苦戦が気になったのか、石川にもアドバイス。根本的には悪くないといいつつも、アイアンの振りすぎと、ダウンスウィングの際に腰が3センチ左に突っ込みすぎている点を指摘した。
昨年からたびたび倉本の指導を受けていた髙橋竜彦によれば、
「倉本さん自身、アイアンやフェアウェイウッドの飛びすぎが原因でスランプを経験していたので、それが気になったのでしょう」という。
2日目、石川は「ベストの状態に近い高さ、球筋になってきた」と2アンダーをマーク。44位タイで楽々と予選をクリア。今週のマスターズへの弾みをつけた。
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