ゴルフ場から毎日排出される刈り芝。一部で堆肥やバイオマスの原料になっているが、ゴルフ場内とはいえ勝手に捨てたり野焼きすることは禁止されている。このため通常はコストをかけて処分している。その厄介モノの刈り芝でティペッグが作られた。
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長さ77ミリ、ティの下部分にディンプルがついており、抜けにくいという
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このティペッグを作ったのはスポルディングブランドのゴルフ用品等の販売で知られるセントラル工商。環境保護の観点から、約3年前からゴルフ場が処分に悩む刈り芝の有効活用に着手。有機材を使ってプラスチック製品を作っているメーカーに、芝を原料の一部にした樹脂の開発を依頼した。
途中、混入する不純物や耐久性のクリアといった問題はあったが、このほどティに成型することに成功し、5月に商品化される予定だ。商品名は「エコロジーゴルフティ」(12本入り525円)。もちろん世界で初の芝で作られたティだ。
「今は、芝の成分は12%程度ですが、なんとか強度、耐久性を保ちながら50%程度まで引き上げたいと思っています」(飛田正彦社長)。原材料が芝だけに強度や耐久性の問題もあるというのだ。
今はまだ原料の芝の安定供給が叶わず、商品ストックが十分ではないが、5月頃までには多くのゴルフ場に提案し、協力を願う意向だ。ゆくゆくは、「小金井CCなどの名門コースの芝でティを作り、その倶楽部を謳って売り出したら面白いのでは」と飛田社長は語る。
コース側はエコに取り組む姿勢をアピールすることができ、廃物利用にアイデアを借りたとはいえ、ゴルファーもエコに協力することになるこの芝ティ、一度は試してみたい
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