巨人の木村拓也コーチが試合前の練習中、突然、倒れた。病名はくも膜下出血。働き盛りの37歳。「ゴルフ場で突然死」という記事を目にすることも少なくないだけに、サラリーマンゴルファーの中には、他人ごとではないと思った人も多いのではないだろうか。
実際、ゴルフ場での突然死は少なくないというのは、脳外科の権威で、「痛快! ゴルフ勉強法。」(ゴルフダイジェスト新書)の著者でも知られる大井静雄先生。
「日本において、突然死で亡くなる人は年間約8万人。最も多いのは睡眠中なのですが、スポーツ中に突然死に襲われることも多く、そのなかでもゴルフ中の死亡数は、40~50代で1位、60代で2位というデータがあります」
ゴルフは本来、健康維持にはもってこいのスポーツ。ゴルフと突然死とは結びつきが薄いような気がするのだが、大井先生はそこに落とし穴があるという。
「ゴルフは激しい運動ではないというのが多くの人の共通認識。だから、睡眠不足だったり、疲れ気味でも、ゴルフならできると思ってしまう。これが大きな勘違い。夏ならば炎天下のなか、5時間も6時間も歩き続けなければいけないのがゴルフ。体調のすぐれない人がそういうことをしたらどうなるかは、医者でなくてもわかるでしょう」
また、こうも言う。
「突然死というものは文字どおり突然起きるものです。実際、異常を感じたら、もうその時点で危ないのです。そうならないように、十分睡眠をとる、十分に睡眠をとる、深酒はしないなど、ふだんからの心構えが大切になるのです」
ゴルフでは、ラウンド中、こまめに水分を補給することも大切。
「脱水状態になると血液がねばねばになって、脳や心臓の血管が硬化した部分や、コレステロールが沈着して狭くなったところが詰まってしまう。お酒が良くないというのも、飲むと脱水症状を引き起こすから。とくにこれからの季節は、体内から水分が奪われがち。突然死は夏のほうが起こりやすいということを忘れないでください」(大井先生)
また、イライラしたり、根を詰めるのも良くなく、ゴルフ場での突然死は、ティグラウンドやグリーンではなく、精度の高いショットが求められるセカンド地点で発生する率が高いという。くれぐれもゴルフを侮らないようにしたいものだ。
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