一昨年の賞金女王の古閑美保が1年4カ月ぶりに優勝したヤマハレディース。それを阻みそうな勢いで1打差の2位に入ったのは、無名のルーキー綾田紘子だった。現在、大学生の彼女、どんな選手なのか。
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明るい性格で土壇場でのメンタル面の強さが特徴の大型新人、綾田
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昨年のQTを41位で今年のツアー出場権を獲得した綾田。2位に入ったこの試合がまだ4試合目という彼女は、現在、法政大学4年に在学中のプロゴルファー。
年齢は、ツアーで活躍中の有村智恵や原江里菜らと同じ1987年生まれの22歳。高校卒業後、すぐプロテストやQTに挑むのが当たり前のようになっている世代だが、綾田が選んだ道は大学への進学だった。
「高校卒業のころは、プロになる意識も明確じゃなかったし、実力不足だ思っていました。一般受験をして入った高校(共立女子第二高)でもあったので、これまでやってきた勉強などをムダにしたくないと思って大学への進学を決意しました」
文武両道を目指して進学した彼女は、大学2年のとき、日本女子アマを制覇。これがプロへ挑戦する転機となったようだ。
「実力以上のものが出たけど、優勝できたので、プロになろうかなと決意しました」
その後、いままで関心のなかったスイング理論を研究したり、ほとんど見なかった、ゴルフのTV中継を見るようになったという。
「ゴルフ漬けの環境を求めて合宿に行ったりと、ゴルフに対する姿勢が変わってきたのが、大学2年でした」
さらに昨年の大学3年時に、日本女子学生で優勝したことで、プロ入りを明確にし今回のQT受験を決めたという。両親は賛成してくれたというが、祖父は「ハングリー精神が足りない」という理由でプロ入りを反対していたという。
それを押し切ってQTを突破し、今回の結果につなげた彼女。80歳近いという祖父は、いまでは孫娘のブログや成績見たさにパソコンやiPodを購入して操作を覚えたという。ちなみに祖父は、百十四銀行創始者で、世間の荒波を熟知している人間。プロ入り反対は、その苦しさを箱入り孫娘に味わせたくなかったのかもしれない。
しかしそんな心配をよそに、彼女のゴルフっぷりをよく知る人たちは声をそろえて「楽天家で明るい性格でメンタルが強いゴルファー」と評す。
最終日7アンダーを叩き出す爆発力を持つ綾田。“サンデー・ヒロコ”に今年は注目ですよ。
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