ゴルファーにも多方面に才能を開花させる人がいる。先月末に行われた米女子ツアーのキア・クラシックで優勝したソ・ヒキョン(韓)に贈られた鮮やかな暖色系のガラスのトロフィ。制作したのは、かつてツアーで3勝を挙げ2000年に現役を退いたスペンサー・デブリンだ。
マフィン・スペンサー・デブリン(56)は、プロ転向前はニューヨークで女優やモデルを生業にしており、映画『スタートレック』シリーズに出演した経験もある異色プロ。1979年にツアーデビューを飾ると、その美貌と実力でたちまち人気者になった。
現役時代の彼女を知る岡本綾子は「彼女はとても頭のキレる人」と評すが、当時からスペンサー・デブリンの芸術肌は評判だったらしい。
何でもプロ初優勝したとき「トロフィがない試合で、欲しかったのにもらえなかった」と苦い思い出があり、2004年にガラス工芸に出会って虜になってからは、「いつか優勝トロフィーを自分の手で作りたい」という思いがあったのだとか。そしてこの度、現在、ガラス工芸家として活躍していた彼女の評判を耳にした主催者の要望で、長年の夢が叶ったというわけ。
90年代後半にレズビアンであることをカミングアウトして話題になった彼女。ツアー引退後の今回は、芸術家として活躍の場を移し、制作現場までをユーチューブで公開するなどさらに話題を提供している。枠にとらわれない彼女が、次は何をするのか注目したい。
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