1~2年前から直前キャンセルに対し、キャンセル料金を請求するゴルフ場が増えてきた。その傾向がここにきて一段と強まっている。問題の背景には雨の日などに安易にキャンセルする最近のゴルファー気質があるようだが……。
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ひと昔前は雨が降ろうとプレーしたものだが、時代は変わった?
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東京湾CC(千葉)では今月3日から土日の予約に関しては、 プレー日の4日前以降のキャンセルは1組1万2,000円のキャンセル料を徴収することになった。こうした動きは首都圏を中心に、予約客が多いゴルフ場でこのところ増えている。それだけ直前キャンセルが増え、営業上のダメージだけでなく、予約を断った他の利用者に対する迷惑という点から、ゴルフ場側も放って置けなくなったようだ。
「かつては当日、多少強い雨が降っても、とりあえずゴルフ場に来て様子を見てからというのが普通でしたけどね」
と八王子CC(東京)の大石順一総支配人は最近のゴルファー気質の変化を口にする。同CCではキャンセル客に対し、従来は事前振込の「予約金」をキャンセル料として徴収していたが、今月から予約金制度を止め、後日請求する代わりに同額の「優待券」を発行するというユニークなキャンセル制度を導入した。
昨年9月から土日祝プレーについて、7日前以降のキャンセルには1組1万円の料金を請求している笠間東洋GC(茨城)の村岡正道支配人は、
「ピンポイント天気予報の精度が上がったため、前日に『そっちは明日雨みたいだから』といった感じでキャンセルされるお客さまが増えたため、支配人会ではキャンセル料導入の件がよく話題になっています」
と実情を語る。
導入後は、事前に同料金制度が告げられるためトラブルはほとんどなく、実際に直前キャンセルは減ったという。ならば、この制度は今後広がるのか。
「近場のお客様が多いコースでは難しいようです」と茨城の某ゴルフ場支配人。遠方の客と違い、近場のゴルファーはいつでもプレーできるため気軽にキャンセルできるゴルフ場がいいからだ。
外資系大手のPGM、アコーディアとも「グループで統一基準を設ける予定はなく、各ゴルフ場の事情に合わせて決めています」とのことで、一気に広がる機運はない。
キャンセルに対するマナー違反は、もちろんゴルファー側の問題だが、ネット予約のビジターを積極的に取り入れるなど広く集客を図るゴルフ場側にも責任の一端はある。日頃から「マナー向上」を訴える必要があるのかもしれない。
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