日本ゴルフ協会(JGA)などゴルフ関連5団体で組織する日本ゴルフ関連団体協議会(ゴ連協)では、自民党政権時代には党税制調査会や文教部会などに対し、利用税撤廃などを訴えてきたが、今回初めて民主党に向けて撤廃を陳情した。
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利用税がなくなればプレーの回数も増えると思われるが……
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これまで、ゴ連協では「ゴルフ場利用税撤廃」等の陳情を継続的に行い、現行の一部非課税(18歳未満や70歳以上等)を実現させてきた。政権が民主党に移って一時は交渉の窓口を見失った感があったが、ここに来て新たな活動の方向性が定まったようだ。
ゴ連協では1998年から全国のゴルフ施設を中心に、利用税の撤廃を求める署名運動を展開。その後の5年間で延べ838万人もの署名を集めた。また、それと並行して行ってきた年末の自民党への陳情の結果、2003年から70歳以上など一部の非課税措置が実現した。
「昨年度の全国のゴルフ場利用者数は、1億人近くまで回復したようですが、うち非課税の利用者は約10%、東京と神奈川に限れば約20%にも上ります」(ゴ連協・片桐達浩常任理事)。いまや相当数の利用者が非課税の恩恵を受けているのだ。
逆にいえば、税金分の1,000円前後を安く利用できるから、それだけプレー回数が増え、全体に占める非課税者の割合が増したのだろう。平日、食事代込み5,000円以内でプレーできるゴルフ場は珍しくない。その意味では利用税は大きな額である。
昨年12月に「民主党の関係者を介して、JGAの安西孝之会長やゴ連協の幹部などと民主党の高嶋良充筆頭副幹事長に陳情する機会を得て、そのときに利用税撤廃の要望書を提出、あわせて今後の運動について相談しました」(片桐常任理事)
こうした交渉を経て、ゴ連協では先ごろ、次のような今後の運動の概要を決めた。まずは、この5~6月に初めてゴルフ場支配人会など地方のゴルフ団体が直接、各都道府県の民主党の地方組織に陳情。その後、署名運動を再開させる可能性も。
ゴルフは2016年リオデジャネイロ五輪で実施競技に復帰する。にもかかわらずゴルフだけは、かつての「娯楽施設利用税」の名残の税金が未だに存続している。ゴルファーとして利用税はないほうがいいに決まっている。民主党の回答はまだこれからだが、今後はその対応をしっかり見守りたいところだ。
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