プロがぶっつけ本番で新しいボールを使うことなど通常は考えられない。しかし、男子ツアー開幕戦「東建ホームメイト」では、試合直前に使用球を替えた選手が何人も現れた。
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ロゴの両サイドについた★印がプロトタイプの証。まだ仮デザインという
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この試合の優勝スコア1アンダーは、日本オープン並みのロースコア。季節外れの寒さと風も一つの要因には違いないが、実は、それ以上に選手を苦しめたのはグリーンの速さと硬さだった。
新種のベント芝、ブライトンに張り替えられたグリーンは、スピードが12~13フィート、硬さ(コンパクション)は24~26前後。ただでさえスピンの減った新溝クラブで、「マスターズ以上」(ジャンボ尾崎)のグリーンに止めるのは至難の業だ。そこで多くの選手が、よりスピンのかかりやすいボールを使う“奇襲作戦”に出た。
この作戦に打って出たのは宮里聖志、増田伸洋、永野竜太郎の3人。ブリヂストンスポーツが新溝対策を念頭に開発中といわれる新兵器『X-01G+プロトタイプ』をぶっつけ本番で使い、永井は最終組で回る(結果16位タイ)など最終日の優勝争いに加わった。ほかにも、ツアーデビュー戦のわたり哲也も同じボールで予選通過。
「今までの『G+』よりもグリーン周りのスピンが効くようになり、しかも飛ぶような気がする」(増田伸洋、9位タイ)
「(普段使っている)『R+』と比べたらスピン性能は格段にいい」(宮里聖志、4位タイ)
こうした選手の活躍を目の当たりにし、新溝対策の即効薬として、ボールを替える選手が増えそうだ。
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