日米の両国で、男女の別なく大暴れしている韓国パワーだが、そんな状況をよそに、ひとり黙々とツアー復帰のときを待つ選手がいる。2008年の日本シリーズ出場の直後、兵役のため2年間軍隊入りしたドンファンだ。彼の親友で、昨年と今年の2回、ソウルを訪ねて旧交を温めた原口鉄也に様子を聞いてみた。
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体重が15キロは減ったといわれるドンファン。復帰は来年の開幕戦
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空軍に入隊したドンファンの休暇に合わせて、原口が初めてソウルを訪れたのは昨年の5月。まだ入隊から4カ月余りと、軍隊生活に慣れていなかったためか、75キロあった体重は、「60キロになったと言っていましたね」と原口鉄也もあまりの変わりようにびっくりしたそうだ。
「軍隊の食事が美味しくないといも言っていましたけど、慣れない訓練でストレスが溜まっていたんでしょうね」と原口。
3カ月に2~3日の休暇があり、それに合わせて原口がドンファンの実家があるソウルを訪ねたのだが、
「美味しい韓国料理のお店に案内してくれて飲んだんですけど、軍隊では普段お酒を飲まないせいなのか、体調のせいなのか、少し飲んだだけで、ですぐに酔っ払ってしまうんです。あんなに日本語が上手いのに、最後は何を言っているのかわからないぐらいでした。ちょっと淋しそうでしたね」と原口は1年前を振り返る。
2度目に原口がドンファンに会いに行ったのは今年の2月。
「前回と比べると、少し太っていて体調も良さそうでした。初めて会いに行ったときもそうでしたけど、あまりゴルフの話はしませんでした。多分、いろいろ情報は入っているんでしょうけど、それを話題にしても、もどかしいだけでしょうからね」
ドンファンの勤務は、空軍施設内のスポーツセンターの清掃。
「最初はトイレ掃除もやっていたけど、最近は下っ端が入ってきて、それはやらなくなったと言ってました。ゴルフの練習は休暇のときぐらいしかできないらしいんですけど、トレーニングだけはしっかりやっているそうです。復帰したら絶対に頑張るからとも言ってましたね」
ドンファンから電話が掛かって来るのは、決まって夜の9時15分で、発信番号からして、どうやら軍の施設かららしい。
「規則なのかどうかわかりませんけど、だいたい話すのは5分ぐらいです。携帯は禁止らしいです」
開幕の前夜にも原口に電話があり、「絶対にシードを落とすな。戻ってもお前がいないと寂しいから、と言われました」
ドンファンの兵役は、あと8カ月。復帰は来年の開幕戦になる予定だ。
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