全国高等学校ゴルフ連盟(高ゴ連)では、今季から新たに「大会出場日数規定」を設け、高校生が出られる試合の数、日数に制限を設けることになった。なかにはこの決定に戸惑いを隠せない選手もいる。関係者に話を聞いてみた。
宮里藍、石川遼の出現以来、有力ジュニアはツアー競技からのスポンサー招待だけでなく、新たなジュニア大会も加わり、競技出場の機会が一気に増えた。と同時に「学生の本分である学業がおろそかになる」など弊害を指摘する声も高まった。
そのため高ゴ連では7年前から規制を検討、2年前からは届け出制にして競技出場の実態を調べた。その結果、今年から同連盟(地区連盟も含む)、JGA、各地区ゴルフ連盟、国体等の主催・後援・派遣競技以外は、年間5試合・16日間を超えての出場を認めないことになった。
この試合数・日数は、一年の暦から前記団体のジュニア関連競技の開催週を除き、また学業への影響を考慮して、この程度ならと算出した数字とのことだ。
だが、これによりほとんどのツアートーナメント(男子ツアーには年間5試合の高ゴ連派遣競技がある)や民間のジュニア大会への出場が制限を受ける。
「そのため、多くの親御さんから反対の声を頂きましたが、私たちの活動目的は人間教育ですから、その見地から主旨を改めて説明したところ、同じ親御さんから再度の抗議はありません」(石田克人理事長)
だが、ある有力選手の父親は
「主旨は理解できますが、一方的に決められたもので、規定の中身には一考をお願いしたい。制限対象のなかには歴史があって、多くのジュニアが目標とする大会もありますから」
として機会があれば、話し合いを持ちたいと熱く語る。
それに対し、石田理事長も
「有力選手の場合、高ゴ連の競技以外にJGAや国体など競技や合宿もあるのですが、現状はどの団体も選手のスケジュールを把握できてない。今回はそうした現状に一石を投じる意味もありました。ですから、広く協議されることは歓迎です」
と語る。この動き、どういう展開を見せるのか、見守りたい。
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