一時期は新興の不動産会社など、新たな顔ぶれが入り乱れ、過熱気味だったゴルフ場の買収戦線。サブプライムショックを境にすっかり熱狂が覚めた感があるが、この1年の動きはどうだったのか。
国内保有コース数トップのアコーディアは130コース。東京建物グループのJゴルフから6コースを取得したほか、成田GC(千葉)が受託から保有に切り替わり、先頃、藤代GC(茨城)を取得。その一方、昨年秋に川西GC(兵庫)を売却しているので、差引7コースの増加だ。
PGMは昨年の調査時点以降イトーピア千葉GC(千葉)、東広島CC(広島)の2コースを取得する一方、金沢国際GC(石川)を売却しているので、差引1コース増の123。
アコーディアは過去2年間で合計9コースを売却しているが、「いずれも当方で売りに出したのではなく、売ってほしいという要望を受けたコースのうち、入場者数の伸びが見込めない、直営・提携の練習場との連携が図りづらいといった条件に合致したもののみを売却している」(アコーディア広報)という。
PGMも「ゴルフ場の売却は本意ではなく、キャッシュフローや周辺マーケットの状況などを総合的に判断して行う場合がある」(PGM広報)と、売却には基本的に消極的だ。
市川造園グループは、市川金治郎会長の個人会社で3コースを取得する一方、ゴルファーが穴に落ちた事故が起きたル・ペタウ(北海道)を売却したので、差引2コース増。
アコーディアへ6コースを売却した東京建物は6コース減。このほか、アコーディアとPGMから1コースずつを取得したチェリーゴルフグループが3コース増でベスト10入りした。
これ以外では10位以下も含めて大きな動きはない。当面40コース取得を目指すオリックスもこの1年は動きがなかった。
ゴルフ場数を増やした会社は4社だけだった。ゴルファーとして、経営会社に望むのはゴルフ場を増やすことではなく1つ1つのコースの中身を充実してほしいということ。事業を拡大し、コース数を増やすのは構わないが、ゴルファーの誰もがゴルフ場を財テクの道具にだけはしてほしくないはずだ。
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