6年間に渡ってタイガー・ウッズのスウィングコーチを務めたハンク・ヘイニーがタイガーとの関係に終わりを告げた。不倫問題、ツアー復活、予選落ち、ケガのための棄権と短期間で様々なことが起こったタイガーの周辺でまた新たな騒動が?
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目立つことが好きではない厳格なコーチのヘイニー
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ハンク・ヘイニーはタイガーとのコーチングの関係終了について、「すべてのものには、場所とタイミングがある。そして今、私は自分の人生のなかで違う方向に向かって歩みだしたいと思う」と語った。
ヘイニーは間違いなくタイガーの偉大な記録を陰で支えてきた人物。今こそタイガーに支えが必要なタイミングでなぜ、と思えるのだが、この件についてハンク・ヘイニーの公認コーチである、松本進プロは次のように語ってくれた。
「ハンクは、私の知っているスウィングコーチのなかで、もっとも厳しく、もっとも曲がったことが嫌いな人物です。たとえ相手がタイガーであれ誰であれ、お金や名誉のために自分を曲げることはしません。
現に今までに何十人もの大富豪たちに、『自分の子どもを第2のタイガーにしてくれ』との強い依頼を受けてきましたが、すべて断ってきました。また多くのツアープロコーチが生徒が優勝しそうになるとその会場を訪れ、最終ホールのプレーの後で選手と握手してテレビに映ろうとするが、ハンクはそういう行為をもっとも嫌う品格あるコーチなのです」
そういうヘイニーが、今、人生の新しい方向に向かって進みたいという。その点について松本プロはこう話す。
「今回の件が起きて、われわれ関係者に直接メールがきました。その内容はいっそう指導者の育成に力を入れるとの内容でした。今まではタイガーとの制約がありすぎて思うような指導活動ができなかったが、これで自由に動けるようになるのでは。ハンクは、自分の最後の生徒はタイガーで、タイガーの後は直接選手は教えず、指導者の育成をすると以前から言っていました。これでハンク・ヘイニー理論を大きく世界に向けて発信する環境が整ったといえます。
いずれにしても活動を中止するという意味でなく、われわれにメールしてきたように第2、3のタイガーを育てられる環境づくりをすることは間違いないでしょう」
稀代のコーチと決別したタイガーは、今後、どうするのか、こちらも注目したい。
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