ウェッジの新溝ルールが改正されて5カ月。ツアーでは新溝使用が必須だが、競技に出ない一般アマチュアは14年後の2024年まで旧溝が使える。このため、今、新旧のウェッジが混在して売られているが、その販売状況は? 新旧表示の有無で混乱はないのだろうか?
有賀園ゴルフ新横浜店では、9対1と旧溝の売れ行きが圧倒的。新溝ではフォーティーンがそこそこ売れている程度だという。一般アマチュアにもすぐにルールが適応された高反発ドライバーの時とは状況が異なり、最終的に溝に関するルールが施行されるまで10年以上の猶予があることもあり、
「ユーザーは新旧の違いをほとんど気にしていない。なかにはルール改正を知らない人さえいる」(新横浜店・佐藤氏)
ヴィクトリアゴルフ世田谷店でも状況は同じ。アスリート志向の強い人、競技に出ている人にタイトリスト(ボーケイ)、クリーブランドの新溝が売れているが、それでも全体の2割弱。主流はやはり旧溝だ。
現在、旧溝も扱っているフォーティーンでは、最新のカタログに記載しているのは新溝のみ。旧溝は在庫がなくなり次第、販売終了となる。
旧溝で2タイプを出しているピンは5月9日終了の米PGAツアー、プレーヤーズ選手権でプロ支給の新溝ウェッジがデビュー。現時点では詳細は未定だが、新溝の新製品を出す予定になっている。
また、キャロウェイも新溝の「Xシリーズ・ジョーズウェッジ」を6月中旬から発売する。ジョーズの新溝はP・ミケルソンが優勝したマスターズで使用したモデル。新溝モデルにはヘッドに“CC(コンペティション・オブ・コンディション)”の刻印が入るが、これはタイトリストのボーケイと同様だ。
ただし、クリーブランドの新溝には、CG15フォージドウェッジ、588ツアーアクションフォージドウェッジなどがあるが、とくに新溝を示す表記は入ってなく、紛らわしい(CG15は他にブラックパール、クロム、DSというように旧溝が3種あるが、こちらは日本仕様という意味のJVのロゴが入る)。
新溝が増えると、さらにショップ店頭の混乱も出てくる。しかし、こちらは、「メーカー自体、積極的差別化を図っておらず、お印程度の表示」(前出ヴィクトリアゴルフ・佐藤氏)というようなところがほとんど。
新旧クラブの違い、表示など、新溝が増えれば増えるほど、問題が出てくるウェッジ。メーカーにはしっかり舵取りしてほしいところだ。
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