不動裕理が、中京テレビブリヂストンで久々の優勝を飾った。最終日は飛ばし屋の森田理香子とのラウンドだったが、アウトドライブすることも。その飛距離アップの秘密は、今季から使い始めているシャフトにあった。
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1本17万円と高額なのは、複雑な製法だから
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そのシャフトは『マトリックス OZIC TP6HD』という聞きなれないシャフト。クラブアナリストのマーク金井氏に聞いてみると、
「韓国のメーカーで、アメリカで製作しているシャフトです。アメリカではポピュラーで、大手メーカーにはOEM供給もしています。ただ、不動プロが使っている『TP6HD』は特別なモデルで、米男子プロをターゲットに、コストにこだわらないで最高の品質のものを造ろうというコンセプトで開発されたものです」
実際にテクノロジーを調べてみると、素材にカーボンだけでなく、ザイロンやボロンを使い、それらのシートを20層に巻き(通常は12~13層)、独自の16角形ヘキサゴン内部構造という、普通の人にはわからないような複雑な製法を採用し、相当な労力と開発費をつぎ込んでいるという。気になる性能は?
「シャフトの先端が硬いため、挙動がそれほど大きくありません。そのためボールコントロールもしやすいが、完全なパワーヒッター向けのシャフトです。でも不動プロが使えるのは、シャフトをうまくしならせて打てる選手だから。これくらい張りがあるシャフトでも使いこなせるので、飛距離アップにつながるのでしょう」
日本では株式会社ベガが発売して、実勢価格は17万円。それでもすでに約50本が売れたという。今年のヒット商品になるか。
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