メンズモデルのドライバーには何種類ものシャフトの硬さが用意されているのに対し、レディスモデルはLのみか、せいぜいLとAの2種類。これに物足りなさを感じる女性を救済するべく初めてレディス用の「R」シャフトが登場した。
ヤマハの『インプレスX D201レディス』がそれ。このドライバーの最大のウリは女性専用に設計されたRシャフトを装着しているところ。このシャフトの振動数は238~240rpmでメンズのRとほぼ同じ。それならば男性用でもかまわないのではと思えるが、実は微妙な違いがあるのだそうだ。
「一番の違いは外径です。メンズモデルを使っている女性にアンケートをとったところ、グリップの太さに違和感を持っている人が多いことがわかったので、手元の外径を細めに設計しました。二番目は長さ。平均身長160センチ前後の女性にはメンズで主流の46インチはちょっと長過ぎるので、飛距離とのバランスを考えて45インチに設定しました」(ヤマハ・ゴルフ事業部・土田厚志氏)
一方、ヘッドはメンズモデルの『インプレスX D201』と同じ460cm3で、見た目も瓜二つだが、並べてみるとレディスモデルのほうがシャローで、球が上がりやすく作られている。
では市場での評価はどうか。3月に発売してから口コミ中心で、2カ月連続で女性用ドライバーの販売ランキングベスト3に入る人気振り。「当初、販売店からは、やめたら、無理じゃないのという声もあった」(土田氏)商品が、口コミだけでヒットした要因は何か。
「女性でも180ヤード以上打てる人が増えているが、そういう人にはLだと頼りない。かといってメンズモデルのロフトだと球が浮きません。少しロフトを寝かせて、Rに近いシャフトを入れたクラブは今までなかったので、発想としてはおもしろいと思います」
とヤマハの目の付け所を褒めるのはクラブ設計家の高橋治氏だ。
また、『インプレスX D201レディス』で特徴的なのは、カスタムシャフトの比率が5%以上と女性用としては異例に高いこと。これらを考え合わせると、女性上級者向けの市場はまだまだ掘り起こす余地がありそうだ。
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