アメリカの大手ゴルフ雑誌のゴルフマガジン(GM)誌とゴルフダイジェスト(GD)誌が、恒例のベスト100ゴルフ場ランキングを発表した。もちろん上位に名を連ねるのは名だたる名門コースばかりだが、果たして日本のゴルフ場の評価はどうなっているのだろうか。
GM誌とGD誌のゴルフ場ランキングは、選考基準や選考方法が異なるが、大きく違うのは、GM誌が「世界のベスト100」を選んでいるのに対し、GD誌は、「アメリカのベスト100」と、「アメリカ以外のベスト100」と部門を分けての選出になっているところだ。
GM誌のベスト100に入っている日本のコースは、39位・廣野ゴルフ倶楽部(兵庫県)、74位・川奈ホテルゴルフコース富士コース(静岡県)、97位・東京ゴルフ倶楽部(埼玉県)、99位・鳴尾ゴルフ倶楽部(兵庫県)の4つ。
対してGD誌のアメリカを除くベスト100には、19位・廣野ゴルフ倶楽部、31位・川奈ホテル富士コース、80位・大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)、霞ヶ関カンツリー倶楽部東コース(埼玉県)、東京ゴルフ倶楽部の5コースが日本から選ばれている。
GM誌のパネリストでゴルフ場の格付けに詳しいゴルフ史家の大塚和徳氏によれば、 「両誌の選考基準に違いはありますが、いずれにしても、投票者の大部分がアメリカ人で、果たして彼らの中の何人が日本のコースを見て、きちんと評価しているのか、科学的に見て公平な評価ということには限界があります。したがって、どうしても日本からランクに入るコースは、設計家のアリソンがからんだものに偏りがちになります」
と指摘する。確かにランクされた日本のコースは、廣野、川奈、鳴尾、東京、霞ヶ関・東などアリソンゆかりのコースばかり。
大塚氏はさらに、「GM誌の場合、コースのゲーム性、美しさ、歴史性の3つの観点で評価しますが、そうした観点からも、もっと日本のコースは評価されてしかるべきだ」と言う。
「例えば、井上誠一のデリカシーはトップクラスにランクされてもいいでしょう。日本庭園の芸術性を見る観賞眼を持った人が評価すれば、月刊チョイス誌が選んだ日本100コースの中から、世界にランクされるコースはもっとたくさんあるはずです」と言う。
なにかと欧米に目が向きがちなゴルフ場ランキングだが、日本のゴルフ場はもっと自信を持ってもいいのではないだろうか。
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