日本男子の2部ツアーであるチャレンジトーナメント。そこで年間3勝したら、その時点で即シード選手に昇格し、以降のレギュラーツアー全試合に出場できるという制度が2008年から設けられた。そこで今季すでに2勝を挙げているディネッシュ・チャンドが、それに王手を掛けている。
|
ビジェイ・シンの愛弟子であるチャンド
|
チャンドは、今季チャレンジトーナメント3戦目の『富士カントリー可児クラブチャレンジ』(5月27~28日)と4戦目の『東北やくらいカップ』(6月10~11日)で2連勝を挙げた。即シード選手まであと1勝という位置にいる。
「レギュラーツアーも見えてきたのでうれしい。賞金王を目指してがんばる」、と2勝目直後にコメントしていたチャンドだが、3連勝がかかる『静ヒルズトミーカップ』(6月17~19日)を前にして、
「(3連勝は)とくに意識はしていない。レギュラーツアーのシードとか、そういうことは今は考えずに、自分の今やっていることが結果につながればいいと思う」
と、ややトーンダウン。
この制度が設けられた2008年には上平栄道、2009年にはC・キャンベルが2勝を挙げて賞金王に輝き、結果的に来季のシード権を獲得したが、3勝までは届かなかった。いままで該当者が出ていないだけに、チャンドにプレッシャーはあるのかもしれない。
フィジー出身でビジェイ・シンを師と仰ぐチャンドは、1998年に初シードを得て以来、流暢な日本語をしゃべる“ガイジン”プロとして人気者となった。2006年にシードを落とし、2008年にシードを復活させたものの、昨年は賞金ランク78位で再びシード落ちを喫している。
今季の活躍の原動力は、オフにトレーニングのために訪れた宮古島の子どもたちの応援だ。合宿の合間にレッスン会を開き、「チャンドジュニアスクール」と名付けた。そして「次に会うときはいい報告を持って帰る」と子どもたちに約束をし、それが励みになっているという。
チャレンジトーナメントは残り6戦。初の3勝昇格で子どもたちに最高の報告ができる日も近いかも。
|